次のような疑問に答える記事です。
「インチアップのメリットを知りたい」
「乗り心地や燃費は悪くなるって本当?」
「軽自動車でもインチアップはできる?」
タイヤをインチアップすると、外観が変わり純正とはちがった個性が出せます。ドレスアップを目的にインチアップしたいと考える人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、インチアップについて以下の3つを解説します。
- インチアップのメリット・デメリット
- 軽自動車でもインチアップはできるのか
- 車検を通すために注意すべきこと
この記事では、インチアップのメリットとデメリットがわかります。良い面だけでなく悪い面も解説するので、納得した上でインチアップを行えますよ。
インチアップはドレスアップ以外にもメリットがありますが、反対にデメリットもあります。
長所だけでなく短所も理解して、許容範囲で行いましょう。

インチアップのメリット
インチアップには5つのメリットがあります。
- スタイリングの向上
- ハンドリングの向上
- グリップ力の向上
- ブレーキングの向上
- コーナリング性能の向上
さまざまな運動性能が向上するので、よりスポーティーな操作を期待できますよ。
それでは1つずつ詳しく解説します。
スタイリングの向上
インチアップの一番のメリットは、見た目が変わりホイールの存在感が出せることです。
ホイール部分が大きくなると、タイヤよりもホイールのデザインが目立つようになり、よりおしゃれ度がアップします。
自分の好きなデザインを選べば、車の足回りに個性が出せます。
純正のホイールとはちがった味わいを楽しめますよ。
インチアップをするほとんどの人が、タイヤのドレスアップが目的といっても過言ではありません。
おしゃれは足元からとはいいますが、車も同じように考える人が多いのかもしれませんね。
カスタマイズの定番といってもいいでしょう。
ハンドリングの向上
2つ目のメリットはハンドル操作が向上し、安定性が増すことです。
インチアップをするとホイールの面積は大きくなりますが、反対にタイヤの面積は小さくなり薄くなります。
タイヤが薄くなると車の重さでたわんでいた部分が少なくなるので、タイヤがハンドル操作に応えやすくなります。
細かいハンドル操作の応答もよくなり、自分の思った通りの操作が行えるのがメリットです。
グリップの向上
3つ目のメリットは、グリップ力の向上です。
グリップ力とは簡単にいえば「踏ん張る力」で、人間に例えると、足を滑らせても転ばないようにグッと体勢を保とうとする力のことです。
カーブを曲がるときと、ブレーキを踏んだときに車のグリップ力が働きます。
タイヤが薄ければ薄いほど地面との接地面が大きくなるので、グッと踏ん張る力が働きやすくグリップ力が向上します。
ハンドルを切ったときや、ブレーキを踏んだときの安定性が上がるのは大きなメリットです。
ブレーキングの向上
4つ目のメリットは、ブレーキが効きやすくなることです。
先ほども説明しましたが、インチアップをするとブレーキを踏んだときのグリップ力が上がり、ブレーキの力を効率よく地面に伝えることができます。
純正のタイヤよりもブレーキが効きやすくなると、制動距離が短くなることも。
また、インチアップをするとホイールとブレーキのすきまが広くなるので、純正のブレーキより大きいブレーキを搭載できます。
ブレーキを大きくすることで性能が上がり、ブレーキを踏んでから停止するまでの距離が短くてすむのは強みですね。
コーナリング性能の向上
5つ目のメリットは、コーナリングが安定することです。
カーブを曲がるときにハンドルを切ると、どうしてもタイヤはたわみ変形してしまいます。
ハンドルを切っても思ったよりふくらんでしまった……そんな経験はありませんか?
タイヤをインチアップすると、タイヤと地面との接地面が増え、タイヤの変形が少なくなります。
ゴムのボールを床に押し付けると「ぐにゃっ」と変形しますが、固いテニスボールを押し付けてもほとんど変形しませんよね。
それと同じで、タイヤのやわらかいゴムの部分よりも、ホイールの固い部分が多いほどタイヤのたわみは少なくなり、安定したコーナリングを行えます。
カーブのたびにふらつくのでは?と不安にならずにすみ、安定して走行できますよ。
インチアップのデメリット
ここまでインチアップのメリットをお伝えしてきました。インチアップはおしゃれだけでなく、さまざまなメリットがあるのをおわかりいただけたと思います。
しかし、メリットもあればデメリットもあります。この点をしっかり理解しておきましょう。
インチアップのデメリットは以下の5つです。
- タイヤの費用が高くなる
- 燃費が悪化する
- 走行音が大きくなる
- 重量が増える
- 乗り心地が悪くなる場合がある
良い面だけでなく、悪い面にも目を向けてください。それでは順番に解説します。
タイヤ代が高くなる
1つ目のデメリットは、タイヤにかかる費用が高くなることです。
費用が高くなる理由には、タイヤの性能確保にコストがかかることと、流通量が少ないことがあげられます。
タイヤはゴムでできていますが、中の構造は複雑で、タイヤの骨格を担うカーカスやタイヤの外側を補強するベルトなど金属を使用しています。
タイヤが薄くなればなるほど、タイヤの性能を支える金属部分が多く必要になり、値段も高く生産するのに手間がかかることも。
また、流通する数が少ないことも1つの要因です。
大量に生産するほうが生産コストも低く、値段も下がりやすくなります。ですが、作る量が限られてしまうとそれだけ手間がかかり、値段も高くなる傾向です。
ゴムの部分だけでなく、ホイール部分にも同じことがいえます。
純正ではなく個性的なホイールは数も少なく、その分値段は上がります。
ありふれたものよりも、この世に1つしかないもののほうが高いのは、どんなものでも同じですよね。
タイヤは消耗品なので、適切な時期に交換が必要です。交換費用が高くなるのは避けられないでしょう。
燃費が悪くなる
2つ目のデメリットは、燃費が悪くなることです。
タイヤをインチアップすると、必然的にホイールが大きくなります。ホイールが大きくなると重量が増え、車体にかかる負担も増えます。
軽いものを動かすよりも、重いものを動かすほうがパワーも必要ですよね。
車も同じで、タイヤが重くなると軽いときよりも大きなパワーが必要になるので、燃費は悪くなります。
また、インチアップのメリットとして「グリップ力の向上」があげられますが、地面との接地面が大きくなればなるほど抵抗も増えます。
抵抗が増えれば踏ん張る力は大きくなりますが、反対にタイヤは転がりにくくなり、純正タイヤよりも大きなパワーが必要です。
ハンドル操作やブレーキ性能が向上するかわりに、燃費が悪化するのは仕方ないでしょう。
走行音が大きくなる
3つ目のデメリットは、走行中の音が大きくなることです。
タイヤが薄くなると地面との距離が近くなり、音を拾いやすくなります。
接地面が広くなることも原因の1つで、地面に接する部分が大きくなればなるほど道路から聞こえる音が増え、静粛性が劣ります。
中には年数がたつとホイールのリム部(タイヤのゴムとの結合部)が衝撃に耐えられず、亀裂が入って異音がしていたケースも。
また、ハンドルをいっぱいに切ったときにタイヤと車体が干渉してしまい異音がする場合もあります。
インチアップには思いもよらないことが起こる場合もあるので、走行中の音には注意したほうがいいでしょう。
重量が重くなる
4つ目のデメリットは、タイヤ全体の重量が重くなることです。
タイヤのゴムの部分とホイールなら重たいのはホイールのほうで、軽自動車のタイヤでゴムの部分だけなら、小学生でも十分にもてるほどの重さです。
インチアップをしてホイールが大きくなれば必然的にタイヤ重量は重くなります。
タイヤが重くなるとタイヤを動かすために必要なパワーが増え、ハンドルが重くなる、加速が悪くなる、燃費が悪くなるなどの弊害が出ます。
燃費の悪化は2つ目のデメリットでもお伝えしました。軽いタイヤを転がすよりも、重たいタイヤを転がすほうが大変なのは想像できると思います。
できるだけ車両重量を軽くしたいと考える人には、インチアップは不向きだといえます。
乗り心地が悪くなる場合がある
5つ目のデメリットは、乗り心地が悪くなることです。
タイヤには地面からの振動や衝撃をやわらげる役割がありますが、タイヤを薄くしてしまうとホイールと地面との距離が縮まり、振動や衝撃をやわらげる力が弱くなる場合があります。
固い地面に座るとき、ふかふかの座布団よりも薄いレジャーシートに座るほうが地面の固さを感じるのと同じです。
乗り心地の悪化を一番感じるのが段差を超えたときです。ゴンッ!という衝撃が車内に伝わり、段差を乗り越えたときの振動をしっかり感じてしまいます。
走行中もタイヤからの衝撃が車内に伝わり、ゴツゴツとした乗り心地になります。
純正タイヤのようなやわらかい乗り心地は失われるので、ソフトな乗り心地が好みの人には向かないでしょう。
軽自動車でもインチアップできる?
ここまでインチアップのデメリットを解説してきました。良い面だけでなく悪い面もおわかりいただけたと思います。
では、軽自動車の場合はどうなるのでしょうか?
結論からいうと、軽自動車でもタイヤのインチアップはできます。
メリットとデメリットにも大きな違いはなく、軽自動車にも同じことがいえます。
ただし、軽自動車のホイールサイズは15インチまでが基本です。16インチ以上になると普通自動車のサイズになり、軽自動車には大きすぎる可能性があります。
中には16インチ以上のホイールを使用できるケースもありますが、必ずタイヤのサイズや車体に干渉せずに走行できるかを確認してから取り付けましょう。
インチアップは車検が通る範囲でしよう
タイヤのインチアップは、車検が通る範囲で行いましょう。
せっかくホイールをドレスアップしても、車検に通らなければ本末転倒です。必ず法律を厳守してカスタマイズを楽しみましょう。
インチアップの際には、以下の3つに気をつけてください。
- タイヤの負荷能力値を下げない
- タイヤの外径を変えない
- 車体からタイヤをはみ出さない
タイヤには1本で支えられる重さ(最大負荷能力)が決められています。この値を「ロードインデックス」とよび、基準に満たないタイヤを装着していると車検には通りません。
ロードインデックスの値が標準タイヤよりも少ないタイヤを選ぶことは、絶対に避けましょう。
車を上手く支えられず、部品の損傷や事故につながる恐れもあります。
また、タイヤの外径を変えないことも重要です。
外径が変わってしまうと、タイヤが1周する長さが変わりスピードメーターに誤差がでる可能性があります。
スピードメーターの誤差の許容範囲は年式によって変わりますが、だいたい時速10㎞以内です。
それ以上になると車検に通らなくなるので、注意が必要です。
さらに、タイヤが車体からはみ出す場合も車検には通りません。
車体からはみ出るような大きすぎるタイヤや、ブレーキや車体に干渉する場合も不適合です。
安全に走行するためにも、必ず守ってください。
インチアップの料金の目安
タイヤをインチアップするには、どれくらい費用がかかるのでしょうか?
タイヤのサイズやホイールのデザインによって値段は変わるので、タイヤのゴムの部分の値段を比較してみました。
ぜひ参考にしてください。(脱着工賃とホイールはのぞきます)
純正タイヤのサイズ | タイヤ4本の値段 | 1インチアップしたサイズ | タイヤ4本の値段 |
155/65R13 | 約10,000円~ | 165/55R14 | 約24,000円~ |
175/70R13 | 約28,000円~ | 185/60R14 | 約45,000円~ |
175/65R14 | 約25,000円~ | 195/50R15 | 約50,000円~ |
185/55R15 | 約40,000円~ | 195/45R16 | 約60,000円~ |
215/60R16 | 約55,000円~ | 225/50R17 | 約80,000円~ |
(表はオートウェイの参考表と、タイヤフッドの検索機能を使って作成)
1インチ上げるだけでもかなり値段が上がります。
純正のタイヤと比べると、タイヤにかかる費用が高くなります。
インチアップするならオートウェイ
インチアップは車のカスタマイズの定番です。
メリットは見た目が変わり個性を出せることだけではなく、さまざまな運動性能が向上します。
自分の思った通りの操作が望めるので、よりスポーティーな走行を楽しめますよ。
ですが、デメリットもあります。タイヤの費用が高くなる、燃費や乗り心地が悪くなるなどエコドライブをしたい人には不向きです。
軽自動車も普通自動車と同様にインチアップできますが、タイヤのサイズには注意しましょう。
インチアップするのに費用を抑えたいという方は、オートウェイを利用するのがおすすめです。
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