車の外観は、タイヤのインチアップをすることで見た目がスタイリッシュに決まります。
しかし、インチアップをする際に、タイヤの状態・外径に気を付けなければ車検に通すことができません。
インチアップをするには、正しいタイヤを選び、正しい方法で行うことが大切です。
この記事では、車検に通すためのインチアップのポイントをお伝えしていきます。
もし、タイヤの購入を検討しているなら、TIREHOODがおすすめです。
インチアップするためのタイヤもネットで簡単に購入することができますよ。
【5つ】車検に通るためのインチアップで気をつけるポイント
インチアップを行うには、車検が通る範囲で考えなければいけません。
気を付けるべき点は次の5つです。
・外径は変わらないようにする
・タイヤのロードインデックス(荷重指数)を考慮する
・スピードメーター表示の誤差が出ないようにする
・車体に干渉しないようにする
・正しい空気圧にする
どれも重要なポイントなので、詳しく解説していきます。
外径は変わらないようにする
タイヤの外径を大幅に変えるインチアップは、車体に触れてしまうおそれがあるため車検に通りません。
インチアップと聞くと、ただタイヤを大きいサイズにすると捉える方もいますが、タイヤの外径を変えずにインチアップする必要があるのをご存じでしょうか。
円周自体を変えずにインチアップするには、ホイールの外径を大きくして、タイヤの内径のインチを大きくします。
しかし、インチアップする際に、元のタイヤと同じ外径のタイヤを見つけるのは難しく、多少の誤差は出てしまいます。
外径を変えずにインチアップするときは、車検で決められているサイズを確認してから選ぶようにしてください。
タイヤのロードインデックス(荷重指数)を考慮する
タイヤには、ロードインデックスが表示されています。
ロードインデックスとは、タイヤが車体を支える負荷の最大負荷能力を示す指数を意味します。
インチアップするときは、車に対しての標準タイヤサイズのロードインデックスを下回ってはいけません。
決められたロードインデックスを下回ると、タイヤにかかる負荷能力が不足して車体を支えられなくなってしまい、大きな事故につながってしまいます。
さらには、車検で決められた保安基準違反で車検には通りません。
ロードインデックスはタイヤ側面に刻印されているので、インチアップする際は必ず確認しましょう。
スピードメーター表示の誤差が出ないようにする
タイヤの外径が大きく変わると、スピードメーターの表示に誤差が出てきます。
これは、タイヤの大きさによって進む距離が変わってしまうので、実際の速度も変わってしまうのです。
【例】
タイヤの外径が小さくなる→進む距離が減る→メーター表示100kmだが、実際の速度は80km
タイヤの外径が大きくなる→進む距離が増える→メーター表示100kmだが、実際の速度は120km
車検ではスピードメーターが正常に働いているかをチェックする検査があります。
検査の内容としては、車をローラー上で走行させてメーター表示が時速40kmに達したときに、実際の時速がどのくらい出ているかを調べます。
許容範囲が設定されているので、ぴったり時速40kmではなくても検査には通ります。
【許容範囲】
平成19年1月1日以降に製造された車
-22.5%~+6%(時速30.9km~42.55km)
許容範囲内で車検を通すには、なるべく誤差が出ないように純正に近いタイヤの外径でインチアップするようにしましょう。
車体に干渉しないようにする
インチアップでタイヤの外径の次に気を付けることは、タイヤの横幅です。
タイヤの横幅はフェンダーからはみ出ないように揃える必要があり、はみ出た状態で車検を通すことはできません。
タイヤがフェンダーから出ている状態で走行することは、整備不良車の対象になると同時に大きな事故につながる原因にもなります。
特にフロントタイヤは、ハンドルを切ると大きく旋回するため、フェンダーやカバーと干渉する危険があります。
パンクやバーストの原因にもなるので、車体に干渉しないようにインチアップすることが重要です。
正しい空気圧にする
インチアップをした場合に、タイヤの空気圧についての疑問が出てきます。
「タイヤの空気圧は純正タイヤと同じでいいの?」
「それとも違う空気圧にしなければいけないの?」
交換したタイヤの空気圧は、どこに合わせれば良いのでしょうか?
タイヤをインチアップした場合は、純正タイヤで指定されている空気圧とは異なる次のような空気圧の数値に合わせなければなりません。
タイヤサイズ | 空気圧 |
純正サイズの場合 | メーカー指定の空気圧 |
インチアップした場合のサイズ | 購入店舗で用意されている空気圧別荷重能力対応表に記載の空気圧 |
空気圧別荷重能力対応表とは、対象となる車とタイヤの荷重指数を表したものです。
半年に一度ほどの頻度で空気圧を見る方は、指定の空気圧よりやや高めにしておくのが安心でしょう。
ただし、一ヵ月に一度の点検が理想なので、頻繁に空気圧をチェックできる方は正しい空気圧の数値で装填してください。
インチアップの良い点・悪い点
インチアップをすることで、今までのタイヤとは違う点が出てきます。
メリットもあり、同時にデメリットも発生します。
インチアップを検討している方は、メリット・デメリットを踏まえたうえで検討してみてください。
この章では、インチアップのメリット・デメリットについて詳しく紹介します。
メリット | デメリット |
---|---|
見た目が良くなる 運動性能の向上 グリップ・コーナリング性能が向上 |
乗り心地が悪くなる 走行音が大きくなる 燃費が悪くなる ハンドルが重くなる タイヤ代が高くなる |
インチアップのメリット
インチアップのメリット3つを紹介します。
見た目が良くなる
純正タイヤからインチアップしたタイヤに替えることで、見た目のバランスが良くなります。
タイヤのインチアップをする理由として一番多いのが、ドレスアップです。
タイヤのゴム部分の面積が狭くなる分、ホイールが目立つことでかっこよさの比率が上がり、自分の好きなホイールデザインをカスタマイズすることもできます。
ホイールのデザインも沢山の種類があるので、自分好みのかっこいい車にしてみましょう。
運動性能の向上
ホイール径が大きくなると、運動性能が向上します。
ホイール径が大きくなりタイヤのゴムの厚みが薄くなると、ゴム部分が地面に接する面積が広くなります。
接地面積が広くなると、タイヤのたわみがなくなり安定性が良くなることで、ハンドル操作がしやすくなるメリットが出てくるのです。
スポーツタイプの車は、運動性能を上げるためにホイール径が大きいのが特徴です
グリップ・コーナリング性能が向上
接地面積が増えることで、ハンドル操作に対するたわみや遊びが少なくなり、グリップ・コーナリングの性能が向上します。
ハンドル操作からのタイヤの反応が良くなると、速いスピードのままコーナーをスムーズに曲がることができます。
グリップ力も上がるので、安定感の中で運転できるようになります。
インチアップのデメリット
インチアップのデメリット5つを紹介します。
乗り心地が悪くなる
インチアップをする際に、タイヤのゴム部分の厚みが薄くなります。
厚みがなくなると当然クッション性が失われるので、地面からの衝撃を受けやすくなります。
座席に座っていると、インチアップする前に比べて乗り心地の悪さを感じるでしょう。
どうしても気になる場合には、サスペンション周りを性能の良いものに交換することをおすすめします。
サスペンションとは懸架装置(けんかそうち)と呼ばれる部品で、走行中のボディへの衝撃を抑えて保護する働きをします。
車内への衝撃を軽減する大事な役割を担っているので、インチアップと同時にサスペンション交換の見直しも検討しましょう
走行音が大きくなる
純正のタイヤよりも走行中の音が少し大きくなってしまうのは、インチアップする上では避けられません。
ホイールを大きくすることで車全体の重量が増えてしまいます。
そのため、車全体が重くなることでタイヤの接地面積も増え、走行中に地面の細かい凸凹を拾う音も増え、走行音が大きくなります。
運転中の快適さや静かさが欲しい方には、インチアップは向いていないかもしれません
燃費が悪くなる
インチアップをしてタイヤの接地面積が増えると、燃費が悪くなる傾向があります。
タイヤへの摩擦も増えてタイヤの転がりの抵抗が大きくなり、これが燃費が悪くなる原因です。
【タイヤの転がりの抵抗とは】
走行中にタイヤが転がると、前に進むときに空気や摩擦で走行を妨げられる現象が起こります。この現象が起こるときに生じる、タイヤが前に進もうとする抵抗のことをいいます。
タイヤの転がりの抵抗があると、純正のタイヤを履いているときに比べて前に進もうとする力は大きくなるので、燃費も悪くなってしまうのです。
また、インチアップをすることで、車の重量が増えてしまうことも燃費が悪くなる原因の一つです。
インチアップは燃費の悪化を招く原因になることを覚えておきましょう
ハンドルが重くなる
タイヤの接地面積が増えたことで、ハンドルが重くなり運転のしづらさを感じることがあります。
インチアップでタイヤの重量も増えてしまうので、今までのハンドルの感覚で運転すると少し大変かもしれません。
高速道路など、ある程度スピードが出せる道路でのハンドル操作はしやすくなりますが、
通常の道路でカーブや曲がるときは、ハンドルの重さを感じやすくなるでしょう
タイヤ代が高くなる
通常のタイヤと比べて、インチアップする際に必要なタイヤは高額になります。
特にドレスアップを対象としたタイヤ、ホイールは金額が上がります。
国産のタイヤは高額ですが、メーカーにこだわりがなければ輸入タイヤも検討してみましょう。
国産タイヤに比べて、30~70%ほど安く購入することができます。
アジアンタイヤは国際的な基準をクリアしており、安心して使用できるのでおすすめです。
タイヤ、ホイールの金額は中古や新品によってもさまざまなので、カーショップで相談をしたり、ネットでタイヤの購入から装着の予約完結までを完結できるTIREHOODで探してみるのも良いですよ。
軽バンや軽トラのタイヤ(145/80R12)でもインチアップできる?
軽バン・軽トラでもインチアップは行うことができます。
ただし、乗用車と軽バン・軽トラの場合は、規格やタイヤの構造が違うため、車検に通るルールも少し違ってきます。
軽バン・軽トラは貨物を運ぶことを目的とした車で、乗用車と比べると重い荷物が載るように作られています。
そのため、軽バン・軽トラ用のタイヤを取り付けないといけない決まりでした。
現在は規制が緩和され、最大積載量と軸量が満たしていれば乗用車のタイヤでも車検に通るようになっています。
規制緩和前の規格は、JWL-Tの刻印が入っているホイールしか車検に通りませんでしたが、緩和後は、
・車両総重量3500kg以下
・最大積載量500kg以下
・乗車定員10人以下
上記の条件を満たせばJWLの規格でも車検が通ります。
貨物用タイヤ表記は主に、
- 145R12 6PR
- 145/80R12
が一般的です。
軽バン・軽トラのインチアップでは、フェンダーからはみ出ない、溝は1.6mm以上あるなどの条件が必要です。
基本的に12インチのタイヤを履いていますが、できるだけ12インチからのサイズアップはしないようにしましょう。
ぴったり合ったタイヤを選ばないと車検に通らなくなってしまうので、車検証を確認して、その車に合ったタイヤを使用することが大切です。
タイヤをインチアップする方法
ここでは実際にインチアップする方法を紹介します。
自分でDIYする
インチアップは、タイヤ交換と同じ工程で進めていきましょう。
タイヤ交換を業者に依頼すると高額な出費になりますが、自分でDIYすることで節約することができます。
しかし、タイヤ交換は危険を伴う作業なので、安全に考慮して行ってください。
【必要な工具】
・ジャッキ
・ジャッキハンドル
・ボックスレンチ
・トルクレンチ
・軍手
・車両を動かなくする輪止め
自分でやる手順は次の通りです。
- 車を安全な場所に停める
- ホイールナットをゆるめる
- ジャッキで車体を持ち上げる
- ゆるめたナットを取り、タイヤを外す
- 新しいタイヤを取り付ける
車を安全な場所に停める
坂道や砂利道など、不安定な場所に停めるのは避けましょう。
安全な場所に停めたら、輪止めをセットします。
ホイールナットをゆるめる
ボックスレンチを使用して、ホイールナットをゆるめます。
ここではゆるめるだけで、外さないようにしましょう。
ジャッキで車体を持ち上げる
ジャッキとジャッキハンドルを使って、車体を持ち上げます。
ジャッキは、必ずジャッキアップポイントにあてて持ち上げてください。
ジャッキアップポイント以外の場所で持ち上げると、ボディがゆがむ原因になってしまいます。
ゆるめたナットを取り、タイヤを外す
ジャッキアップするとタイヤが地面から浮くので、タイヤが浮いたらナットを取ってタイヤを手前に引き抜きます。
外したタイヤを横にして車体の下に入れることで、万が一ジャッキが外れても身の危険を回避することができます。
新しいタイヤを取り付ける
タイヤを外すとハブボルトが出ているので、ホイールの穴に合わせて差し込みます。
同時にホイールナットを軽く締め、全部仮締めしたら最後にボックスレンチで締めていきましょう。
ホイールナットには締める順番があります。
4本の場合 上→下→左→右
5本の場合 上→右下→左上→右上→左下
ホイールナットがゆるんでいると非常に危険なので、2~3回に分けてしっかりと締めてください。
プロに依頼する
自分でDIYをするのが不安な方は、カーショップやディーラーに依頼するのが安心です。
作業工賃はかかってしまいますが安心して任せることができるので、以下の金額を参考にしてみてください。
【タイヤとホイールをセットで交換した場合】
カーショップ…1本2,000~3,000円
ディーラー…1本4,000~5,000円
ディーラーは専門性のサービスを提供している分、高めに設定されています。
自分に合ったサービスはどこなのかを把握してから依頼するようにしましょう。
まとめ
今回は、車検に通るインチアップについて紹介しました。
注意点をおさえて正しいインチアップをすることが車検に通るコツになります。
インチアップをすると、ハンドル操作がしやすいというメリットもありますが、乗り心地の悪さや燃費の悪さなどのデメリットも出てきます。
インチアップを検討している方は、これらを踏まえて正しい方法でインチアップを行ってくださいね。