車を所有している人にとっての義務が車検です。しかし車検は1年に1回行うことなので、うっかり車検を受けるのを忘れていた!という人もいるかもしれません。
もし、車検切れの車を所有している場合、どのような対処をすればいいのでしょうか。
今回は、車検切れの車のリスク、車検切れの車を通す方法などについて、詳しく解説していきます。
車検が切れる1ヶ月前に受けるのが基本
車検は切れる1ヶ月前に受けるのがベストといわれています。
1ヶ月以上前でも受けることは可能ですが、それをやると起きてしまうのが期限の前倒しです。前倒しになると、車検から次の車検の期限が短くなってしまいます。

では、車検にとって大事な有効期限、満了日についても以下より説明しましょう。
車検の有効期間は車種によって異なる
車検は、車の種類によって有効期限が変化します。その違いをみてみましょう。
車検の有効期限は、車種や用途によって違います。例えば、
- 自家用車
初回は新規登録してから3年、2回目以降は2年となっています。軽乗用自動車も同様です。 - バス・タクシー
初回、2回目以降ともに有効期限は1年です。ただしレンタカー(乗用自動車)の有効期限は初回2年、2回目以降は1年となっています。 - 軽貨物自動車、大型特殊自動車
初回と2回目以降の有効期限は2年です。ただし8トン未満の軽貨自動車だと初回2年・2回目以降は1年、8トン以上にだと初回・2回目以降ともに1年という決まりになっています。
車検満了日の確認方法は?
車検の満了日を忘れてしまった場合の確認手段は、車検証を確認することです。
車検証には「有効期限の満了する日」という欄があり、そこに車検満了日の年月日が記載されています。
また、フロントガラスの上に貼ってある車検ステッカーにも満了の情報が記載されていますが、ステッカー表面には車検満了の年月しか記載されていません。

車検切れの自動車で公道走行した時のリスク
もし車検が切れたままの自動車で公道を走った場合、どのようなリスクがあるのでしょうか。そのリスクについて以下より説明します。
1日でも車検が切れたら免停の可能性も
車検を受けて期限内の車検証を車に積んでおくことは、道路運送車両法で決められています。私有地・私道であれば車検切れの車であっても問題はありません。
しかし車検切れの車で公道を走った場合、道路運送車両法違反となります。もし車検切れで公道を走ったことが発覚した場合、以下の罰則です。
- 違反点数6点
- 30日間の免許停止
- 6ヶ月以下の懲役あるいは30万円以下の罰金
以上の罰則のうち罰金は刑事処分に該当するので、罰金を課せられても未払いのままでいると、刑事事件に発展する可能性もあります。
このようにいくつもの罰則の対象になるのが、車検切れの車の走行なのです。
自賠責保険の更新が必要
車の強制保険である自賠責保険は、車検の際、同時に更新することが多いです。
車検切れになると自賠責保険も切れていることが多いので、保険に未加入の状態で車を走らせると、これも罰則の対象になります。自賠責保険の未加入における罰則は以下の通りです。
- 違反点数6点
- 1年以下の懲役あるいは50万円以下の罰金
車検切れと未加入が同時に発覚した場合、受ける罰則は違反点数6点、90日間の免許停止、1年6ヶ月以下の懲役あるいは罰金80万円です。
万が一事故したら保険が使えない
車検が切れたままの車で事故を起こした場合、任意保険に加入していても、補償の対象外の扱いになる可能性が高いです。
単身の事故ならともかくこちらが加害者に該当するなら、最悪、賠償金を全額自己負担しなければいけません。
賠償金が数千万単位の膨大な金額で、それを支払う収入があれば問題ないですが、支払い能力がない場合は財産の差し押さえなどの処分となります。
それに加えて、犯罪に該当すると判断されて逮捕されるケースもあるかもしれません。車検切れの車に乗るだけで、ここまで最悪の事態を招いてしまうのです。
車検切れの自動車を車検に通すために必要なもの
車検切れの車を車検に通すためには、以下のアイテムが必要です。
車検証と自賠責保険証明書は、通常の車検の申し込みと同様ですが、車検切れの場合は仮ナンバーを用意しなくてはいけません。
仮ナンバーは、車検切れの車を車検場や車検業者に移動させるために必要な臨時のナンバープレートのことです。
これらを用意した際の手続きは、次の段落で説明します。
車検切れの自動車を持ち込む方法
車検切れの車は公道を走ることができません。そんな状態の車をどうやって持ち込めばいいのか、次より説明していきます。
仮ナンバーを取得して車移動の準備をする
ユーザー車検(業者を介さずに自分で運輸局に車を持っていく車検のこと)を行う場合は、仮ナンバーを所得する必要があります。
仮ナンバーとは、「自動車臨時運行許可」の証明になるナンバーのことです。これを取り付けたら車検切れの車であっても、公道を走ることが許されます。ただし車検を行うためなど、限られた条件のみが適用されるので、常に車検なしでも許されるわけではありません。
仮ナンバーの取得方法は、走行する道路の管轄である役所などで手続きが可能です。
仮ナンバーの手続きは、自賠責保険の加入も必須です。車検が切れている場合、自賠責保険も期限切れである場合が多いので、この機会に加入しなくてはいけません。
自動車税を納めているなら「継続検査」
継続検査とは、自動車税を納めていて車検切れになった車が受けられる検査です。
継続検査に必要な費用
自動車重量税:25,200円
自賠責保険:22,470円
継続検査に必要な書類
- 記入済の申請書(国土交通省HPからダウンロード可能)
- 自動車検査証
- 保安基準適合証
- 自動車損害賠償責任保険証明書
- 自動車重量税納付書
- 納税証明書(登録自動車は省略できる)
抹消した車や新車は「新規検査」
新規検査は、車検を一度も受けたことのない新車・一度抹消した車が受けられる検査です。必要な費用、種類は以下のものになります。
新規検査にかかる費用
自動車重量税:25,200円
自賠責保険:22,470円
新規検査に必要な書類
- 自動車検査票
- 点検整備記録簿(中古車の場合のみ)
- 登録識別情報等通知書(中古車の場合のみ)
- 完成検査終了証(形式指定自動車の場合のみ)
- 通関証明書(輸入車の場合のみ)
- 手数料納付書
- 自動車重量税納付書
車検にかかる料金は変わらない
車検切れになった車、一度抹消した車に再び車検を通す場合、車検にかかる費用は、通常の車検費用と同じです。
車検切れになったからといって、延滞・滞納料金がかかることはありません。
車検切れの自動車を持ち込む以外の方法
ユーザー車検は自分で車検の手続きをしますが、それ以外の方法もあります。どんな方法があるのか、以下より解説していきます。
ディーラーや整備工場に引取りしてもらう
ディーラーや整備工場に頼めば、キャリアカーで車を店舗や工場まで運んでもらえます。これなら公道が走れない車検切れの車であっても移動可能です。
引取り納車してもらう時の流れ
ディーラーや整備工場に引取りしてもらった時の流れは以下の通りになります。
- 最初にやるべきことは、ディーラーや整備工場に連絡をして予約することです。引き取り希望日や時間を伝えましょう。
- 予約の日程が決まったら、車検当日に引き取りのキャリアカーがやってきて、車を運んでくれます。
- ディーラーや整備工場に着いたら、車検実施です。車検はその日のうちに完了することもあれば、数日かかることもあります。
- 車検が終わったら納車となり、車検費用を支払えばすべて完了です。
自分でユーザー車検をするより費用は高くなりますが、手間も省けますし、安心して任せることができます。
車検料金を少しでも安くする方法
車検にかかる費用は決して安くないので、なるべく費用を抑えたい!という方が多いでしょう。
では、車検料金を少しでも安くするにはどんな方法があるのか、次より紹介していきます。
車検基本料金の安い店舗を選ぶ
車検料金の内訳を大まかにいうと「基本料金+法定費用(自賠責保険など)」です。基本料金は、ディーラーや整備工場、カー用品専門店、ガソリンスタンドなど、店舗によって異なります。
複数の店舗に見積もりを出してもらって、どの基本料金が安いか比較しましょう。
整備内容についてあらかじめ相談をする
車検料金には、追加費用も含まれるところもあります。この追加費用とは、検査をしていて劣化した各部品の交換などにかかる費用です。
店舗によっては、余分な交換をして、必要以上の請求をしてくるところもあります。
簡単予約で当日車検の「車検館」がおすすめ
車検を手間をかけずにスムーズに完了させたい人は、「車検館」のご利用がおすすめです。
車検館ならスマホで簡単に予約ができ、かかる時間は申し込みをしてから予約完了までわずか1分です。
車検当日も最短45分で完了するので、車検に時間を取られたくない人にとって車検館は、強い味方となってくれるでしょう。
そのほか、キッズルームの完備や待合室の無料ドリンクなど、ユーザーに寄り添うサービスが用意されているのも魅力の一つです。
どこで受けるか迷われている方は、ぜひ検討してみてください。
まとめ
車検は車の所有者にとっての義務なので、決して忘れてはいけません。車検をしないままで車を利用するのは立派な違法なので、最悪取り返しのつかない事態に陥ることもあります。
もし、さまざまな理由で車検を通さなかった場合は、車検切れの車をどう扱えばいいのか、その方法をしっかりと把握しておく必要があります。
本記事を参考に車検切れの車の対処をスムーズにしていただけたら幸いです。