車を所有している人は「法定点検」という点検を定期的に受ける義務があります。
しかしこの点検が具体的にどんな内容で費用はいくらなのか、わからない人もいるでしょう。
今回は、車の点検についてのさまざまな情報を解説してきましょう。
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車の整備点検は2種類ある
車の点検は「日常点検」「法定点検」の2種類があります。
両者の特徴・違いについて以下より説明しましょう。
日常点検とは?
日常点検とは、車の所有者が日常で自発的に行う点検です。
自発的と言いながらも日常で点検することは法律で義務付けられています。
ただし、具体的な時期・頻度は法律で特に決められていません。
所有者が車のコンディションを見て点検するかどうかを決めることが多いです。
法定点検(定期点検)とは?
法定点検は別名・定期点検とも呼ばれている、法律で義務付けられている点検です。
点検の頻度は車の種類によって異なり、一般的な自家用車は12ヶ月・24ヶ月点検、トラックやバス、タクシー・レンタカーなどは3ヶ月・6ヶ月点検となっています。
車検を受け付けている業者で法定点検も依頼することが可能です。
業者に頼めば車検前に24ヶ月点検を行ってくれます。


日常点検の頻度と点検項目
車の所有者が自分で行う日常点検は、具体的にどんなところを点検すればいいのでしょうか。
以下より日常点検の目的や頻度、チェック項目などについて説明します。
日常点検は義務?目的とは?
車に関する法律である道路運送車両法の第47条には次のような内容の記述があります。
「自動車の使用者は、自動車の点検をし、及び必要に応じ整備をすることにより、当該自動車を保安基準に適合するように維持しなければならない。」
引用元;道路運送車両法
つまり、車の所有者は常に車の点検をする責任がありそれが義務であると、法律で決められているのです。
車の点検を怠ると車の不具合が生じてもそれに気づかず、それが原因で修理費用がかかる・事故が起きるなど、トラブルが発生します。
また、事故が起きると同乗者が通行人を巻き込んで、自身が加害者になる可能性も出てくるでしょう。
そのような、トラブルを回避するために、日常点検は大事なことなのです。
日常点検の頻度は月1回で十分
先述した道路運送車両法には、点検の義務に関する記述はありますが、具体的な点検回数については定められていません。
そのため、どれくらいの頻度で点検していいのかわからない人もいるでしょう。
教習所では乗車前に点検をする教えになっていますが、昔に比べたら車の性能向上・乗車する頻度などが原因で必ず点検する人はそれほどいません。
車の日常点検は最低でも月に1回程度で十分といっていいでしょう。
ただし、毎日かなりの距離を走る人は週に1回など、乗車する回数・距離に合わせて点検の回数を増減する必要があります。
日常点検で確認したい項目
日常点検で確認するべきところは大きく分けて「エンジンルーム」「タイヤ・ランプ」「乗車時」の3種類です。
その3つがそれぞれ細かい項目に分かれているので、確認事項は合計16項目になります。
それぞれの項目は以下の通りです。
- エンジンルームで確認すべき点
・ウィンドウォッシャー液の量
・エンジンオイルの量や色
・ブレーキオイルの量や色
・バッテリー液の量
・冷却水の量
- 車のまわりをまわって点検
・タイヤの空気圧の確認
・タイヤの亀裂や裂傷・摩耗
・タイヤの溝の深さ
・ランプ類の点灯や点滅、汚れや損傷
タイヤの溝の深さは1.6mm以下になるとスリップ・サインが表れるので、確認しましょう。
- 運転席からの確認
・エンジンのかかり具合と異音
・アクセルペダルを踏んで、エンジンの加速や低速
・ブレーキペダルの踏みしろ、きき具合
・パーキングブレーキレバー
・ウィンドウォッシャー液の噴射状態
・ワイパーの動きや拭き取りの確認
ブレーキペダルの踏みしろは床板とブレーキペダルの間が妥当か確認、ブレーキのききは以前に比べて踏みごたえに違和感がないか、それぞれ確認します。
パーキングブレーキレバーは、引いた時の引しろが多いとロックの効き具合が弱いので危険です。
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法定点検(定期点検)の頻度と点検項目
法定点検は、どれくらいの頻度で行いどんな点検項目があるのか、次より説明しましょう。
法定点検は義務?しないとどうなる?
車の点検は、道路運送車両法第47条48条で常に整備・点検をすることが義務付けられていますが、義務を怠った場合の具体的な罰則はありません。
点検の依頼をすればそれだけ費用もかかるので、必ず実施している所有者はそれほど多くないというのが、法定点検の実情です。
自家用車に限っては決まった罰則はありませんが、バスやトラック・タクシー・レンタカーなどの事業用車には罰金や罰則の規定があります。
法定点検を受けなかった場合、罰金は30万円以下の支払い義務が発生、罰則は運転停止命令という決まりです。
この決まりは道路運送車両法第110条にて決められています。
法定点検の頻度
法定点検の頻度は適当ではなく具体的な期間が決められていて、その頻度は、以下の表のように車の種類によって異なります。
車の種類 | 頻度 |
乗用車,軽自動車(自家用車) | ・12ヶ月に1回 ・24ヶ月に1回 |
中小型トラック(自家用車) | ・6ヶ月に1回 |
大型トラック(自家用車) | ・3ヶ月に1回 |
バス,タクシー トラック(事業用車) |
・3ヶ月に1回 |
レンタカー (乗用車・事業用車) |
・12ヶ月に1回 |
二輪自動車 | ・12ヶ月に1回 ・24ヶ月に1回 |
車を新車で購入した場合、購入先のディーラーから、定期的に点検のお知らせがきます。
お知らせのうち6ヶ月点検の場合は無料です。
12ヶ月点検だと有料になりますが、点検してもらうと故障や事故の回避ができるので安心といえます。
車の法定点検の期限や期間
法定点検には◯年◯月◯日までに受けなければいけないという期限はありません。
しかし、期限がない・法的な処置がないからといっても点検は義務となっているので、無視してはいけないことです。
先述した頻度の表にある通り、自分で法定点検を受ける期間を覚えておく必要があります。
ディーラーから定期的に来る点検のお知らせ・整備工場が用意した整備済みステッカーなどで時期点検の目安がわかるようになっているので、確認しましょう。
車の法定点検はどこで受けられる?
法定点検が可能な場所は以下になります。
- ディーラー
- ガソリンスタンド
- 各種工場
(整備工場:指定整備工場・認証整備工場・民間整備工場)
点検を受けた日、次の点検の目安がわかる定期点検整備済ステッカー発行、点検記録簿への記入は、ディーラー、指定整備工場、認証整備工場で受けることが可能です。
また、ディーラーによっては特典割引などのサービスもあります。
車の法定点検は自分でできる?
法定点検は、国土交通省が発行している「自動車の点検及び整備に関する手引」にその点検内容が記されているので、それを見ながら自分で点検することも可能です。
ただし、車種や点検頻度によってチェック項目が多いものは、専門家以外の人間がやるのはかなりの難易度といっていいでしょう。
車の法定点検費用は?
法定点検にかかる費用は、車の種類によって異なります。
それぞれの費用を以下の表にまとめてみました。
車の種類 | 料金 |
軽自動車 | 約9,000〜14,000円 |
1,000cc〜1,500cc | 約10,000〜16,000円 |
1,800cc〜2,000cc | 約10,000〜17,000円 |
2,000cc〜3,000cc | 約11,000〜20,000円 |
3,000cc〜 | 約12,000〜26,000円 |
ディーラーやフランチャイズ系の業者に頼めば、割引特典・リーズナブルな料金設定なので、上記の相場より安価で済ませられる場合もあります。
まとめ
メンテナンスを怠ると、不具合が原因で故障して修理するなど、余計な出費が必要になります。
しかし、法定点検・日常点検を欠かさず実施していれば、車に関するトラブルが回避できるのです。
法定点検は面倒がらずにしっかりと行いましょう。