日本の法律では2年に1度、必ず車検を受けなければなりません。万一、車検を受けずに公道を走った場合は無車検運転として罰則と罰金が科せられてしまいます。
しかし、高い費用を払って車検を受けるのがもったいないと感じている人も少なくはないのではないでしょうか。
また、ディーラーや自動車販売店で車検の見積もりをして、金額に驚いたことがある人も多いのではないでしょうか。しかし、実は自分で車検を通すことができ、車検費用を抑えることができてしまうのです。
そこで、自分でできる「ユーザー車検」について説明していきます。

車検を自分でする「ユーザー車検」の方法と流れ
自分でする「ユーザー車検」はディーラーなどに依頼せずに自分で車検を受ける方法です。ユーザー車検を受けるための9つのステップについて説明していきます。
①車の点検と整備
車検を通す車両の状況を確認し、必要な箇所の交換や整備を行います。
②車検の予約
車両の整備が終わったら、車検の予約を取ります。
ここで注意が必要なのは車検証に記載されている有効期間満了日よりも前に車検を受けなければならない点です。基本的には有効期間満了日であれば、いつでも受けることができますが、1ヶ月前から当日に受けるのをおすすめします。
なぜなら、車検というのは最後に受けた日より2年間有効なため、有効期間満了日ギリギリに車検を受けたほうが少しお得になるからです。
③必要書類の準備
車検証に必要な4つの書類を準備します。
- 車検証
- 自動車賠償責任保険証明書
- 自動車税納税証明書(※滞納している場合、車検を受けることができません。)
- 定期点検整備記録簿(※車検後に法定点検を受ける場合、提出の必要はありません。)

④自動車検査場の車両を持ち込む
予約した日時に検査場へ行きます。
⑤事務手続き
検査場の窓口にて3つの書類を受け取ります。
- 継続審査申請書
- 自動車重量税納付書
- 自動車検査票
3つの書類を受け取ったら、必要事項を記入して自動車賠償責任保険の継続加入を行います。
※自動車賠償責任保険とは強制保険とも呼ばれており、保険加入していなければ車検証は交付されません。
⑥受付を行う
3つの書類と事前に用意しておいた書類を窓口に提出し、受付を行います。
2.自動車賠償責任保険証明書
3.自動車税納税証明書
4.定期点検整備記録簿
5.継続審査申請書
6.自動車重量税納付書
7.自動車検査票
⑦自動車重量税と検査手数料の支払い
自動車重量税と検査手数料を窓口で支払います。
⑧検査を受ける
車両を検査コースへ持ち込み、検査を受けます。
⑨検査証を受け取る
検査に合格すると、窓口にて新しい検査証を受け取ることができます。
ユーザー車検のメリットは「費用の安さ」
ユーザー車検の最大のメリットは費用の安さです。車検を受ける多くの方がディーラーや自動車販売店、ガソリンスタンドなどに車検を依頼することが一般的です。
しかし、各業者では決められた車検基本料や法定費用、部品交換の工賃がかかります。そのため、検査費用以外にも別途、費用が発生してしまい、金額が高くなってしまうのです。
一方、ユーザー車検の場合は車検基本料や部品交換の工賃が必要ありません。
したがって、自分でできるユーザー車検にかかる費用は法定費用のみとなり、業者に依頼するよりも安く車検を受けることができるのです。(※法定費用:検査手数料、自動車賠償責任保険料、自動車重量税をまとめた費用の総称)

ユーザー車検のデメリットは「時間」と「安全面」
自分でできるユーザー車検のメリットは費用の安さでしたが、どのようなデメリットがあるのか見ていきましょう。
ユーザー車検のデメリットは時間と安全面が挙げられます。
車両の整備や部品交換、車検の予約から検査当日の手続きまですべて自分で行う必要があるため、時間がかかってしまいます。
また、自動車整備士による整備が行われないため、安全面についても不安が残ってしまいます。
ユーザー車検は費用を抑えることができますが、プロによるメンテナンスが行われないため、しっかりと整備をしてほしい場合は別途点検を受ける必要があります。
不安な場合は予備検査場を利用しよう
ユーザー車検には費用を抑えることができるという最大のメリットがありますが、車検項目は非常に多く、排ガスやヘッドライトの光軸、光量などの調整も必要にあります。
しかし、排ガスの成分検査やヘッドライトの光軸検査など、目視で行うことはできません。そこで、実際の検査と同様の検査を受けることができるのが「予備検査場」です。
予備検査場では検査コースにてユーザー車検を受ける前に車検項目箇所のチェックができる検査場です。
そこでは、特殊な機械が完備されており、排ガスの成分検査やヘッドライトの光軸検査も行うことができ、場合によっては調整を依頼することもできてしまいます。
したがって、車検前に予備検査場を利用して、各項目を確認して、車検に挑むのがおすすめです。
安さで選ぶならユーザー車検がおすすめ
車検を受けるにはディーラーなどに依頼することもできますが、自分で車検ができるユーザー車検は費用を大幅に抑えることができます。
したがって、安さで選ぶならユーザー車検がおすすめです。
自分で車検ができないなら近くの車検業者を探そう
もし、自分で車検ができない場合は近くの車検業者を探して依頼することができます。そこでおすすめなのは楽天car車検です。
なぜなら、自分にぴったりの車検業者を簡単に探すことができるからです。郵便番号を入力するだけで、複数の車検業者を比較することができ、ぴったりの業者に依頼することができます。
また、参考車検価格を見ることができたり、実際に利用した人のレビューも見ることができたりするため、じっくりと比較して検討することができるのがポイントです。自分で車検をするのが難しい場合は、近くの車検業者を探してみることをおすすめします。


ユーザー車検を受ける前準備まとめ
車検費用を大幅に抑えることができるユーザー車検について説明してきましたが、いかがでしょうか。ユーザー車検を受ける前準備についておさらいしていきます。
①車検検査項目の把握
どのような項目が検査されるのか把握しておきましょう。ワイパーやヘッドライト、ブレーキランプはもちろん、排ガス成分なども検査項目に入っています。
②自動車の状態をチェック
車検を受ける車両がどのような状態かを確認します。明らかに交換や整備が必要な場合は事前に交換しておきましょう。
③必要書類の準備
必要書類の確認と準備をしましょう。
- 車検証
- 自動車賠償責任保険証明書
- 自動車税納税証明書
- 定期点検整備記録簿
自動車税に未納、滞納がある場合は車検を受けることができないので注意が必要です。また、定期点検整備記録簿については車検後にも受ける場合は提出不要です。
④車検費用の準備
車検費用の準備をしておきます。検査手数料は小型乗用車で1,700円、普通自動車で1,800円です。車検証を確認して、どちらに該当するか確認しておきましょう。
重量税と自動車賠償責任保険料も必要となります。自動車賠償責任保険料は24ヶ月で21,550円、25ヶ月で22,210円です。重量税については車の重量や年式、エコカーかどうかによって金額が変わります。事前に確認しておくことをおすすめします。
⑤ユーザー車検の予約
すべての準備が整ったら、検査の予約を取ります。
ユーザー車検当日の流れまとめ
①予備検査場で最終調整
運輸支局の近辺には、本番前に運輸支局と同じ項目の検査ができる民間の検査場があり、これを予備検査場といいます。
民間の検査場は有料で約1,500円~3,500円になります。
予備検査場で不具合があった場合は車検の合格が難しいです。
②運輸支局で用紙の入手・作成
運輸支局の窓口で用紙を入手しましょう。
書類については下記で解説しているので、参考にしてみてください。
③自動車重量税・検査手数料の支払い(印紙・証紙の購入)
普通自動車は運輸支局で、軽自動車は軽自動車検査場内の印紙・証紙販売窓口で自動車重量税学文と検査手数料分の印紙・証紙を購入しましょう。
購入した自動車重量税印紙を自動車納税証明書に、検査手数料印紙は自動車検査票に張り付けましょう。
次回の自動車重量税額照会はこちら→普通自動車・バイク
→軽自動車
④自賠責保険の継続加入手続き
自賠責保険は車検のタイミングに合わせて更新を行います。
自賠責保険の保険期間は車検の有効期間より1日でも長くしましょう。
車検の際に自賠責保険の保険期間が車検の有効期間より長くないと、車検証を発行してもらえません。
⑤納税確認
自動車納税証明書を自動車税事務所などの納税確認窓口に提示しましょう。
自治体によっては納税確認が電子化されて、納税証明書の提示が省略できるので、詳しくは各自治体に問い合わせてみてください。
⑥車検の受付
運輸支局・軽自動車検査場でユーザー車検受付窓口で書類一式を提示しましょう。
書類に不備があった場合ここで指摘されるので、指摘された場合は対応しましょう。
⑦検査コース
自動車に乗って、車検コースでユーザー車検を受けます。
1回の検査申請による検査コースへの入場回数は3回までになりますので、注意しましょう。
受験時は車1台につき1名乗車することができます。
同乗者は検査に参加することができないので注意しましょう。
⑧車検証の交付
検査に合格すると、書類一式を車検証交付窓口に提出しましょう。
提出すると新しい車検証とステッカーの交付を受けることができます。
書類に記入ミスがない場合はその場ですぐ車検証とステッカーをもらうことができます。
ユーザー車検検査項目まとめ
外回り検査
ヘッドライトなどの灯火類、ワイパーやクラクションなどの検査をします。
しっかり動くかの確認と、ヘッドライトやドアミラーにひび割れがないか確認します。
足回り検査
タイヤのスリップサインの確認、タイヤやホイールが車体から1cm以上はみ出していないかの確認をします。
スリップサインが1か所でも表れている場合は不適合になります。
ここでブレーキの利き方もチェックします。
排ガス検査
排ガスの成分が保安基準を超えていないか検査します。
排気ガスには一酸化炭素と炭化水素が含まれており、保安基準を守っていないと公道を走ることができません。
サイドスリップ検査
ハンドルを固定してまっすぐに走れるかの確認をします。
保安基準には「横滑り量が走行1mについて5㎜を超えるもの」については基準に適合しないとされています。
スピードメーター検査
実際の速度とメーターに表示されている速度の誤差を確認します。
およそ上下合わせて時速10キロ以内の誤差は保安基準に適合しているといえます。
ただし、車の製造時期によって基準に適合する誤差には差があります。
ヘッドライト検査
光軸と光量を確認します。
光軸に関しては歩行者をよく見えるように、または対向車を眩惑しないような光の位置になっているか確認します。
色の基準も決まっており、「白色」であることが保安基準で決まっています。
ブレーキ検査
ブレーキとサイドブレーキの確認をします。
ブレーキがしっかり効くか、前後左右のバランスよく作動しているかという点で検査されます。
下回り検査
下回り検査は下を見る必要があるので、ドライブオンリフトで車を上げて検査をします。
ブレーキやエンジンに合わせて下回りが正常に作用するかを確認します。
ユーザー車検当日に必要な書類まとめ
ユーザー車検当日に必要になる書類は以下の通りになります。
●車検証
●自動車賠償責任保険証明書
●自動車税納税証明書
●定期点検整備記録簿
●継続審査申請書
●自動車重量税納付書
●自動車検査票
車検証
現在所有している車検証を準備しましょう。
車検証はコピーではなく、必ず原本を準備するようにしましょう。
自動車賠償責任保険証明書
自賠責保険の証明書を準備しましょう。
自賠責保険の証明書もコピーではなく原本を持参しましょう。
自動車税納税証明書
自動車納税証明書は各都道府県の税事務所で交付を受けることができます。
未納・滞納の場合は車検を受けることができるので、気を付けましょう。
2015年4月1日より納税証明書の電子化が始まり、自動車納税証明書を提出しなくてもよくなりました。
詳しくは各都道府県で確認しましょう。
定期点検整備記録簿
12カ月点検や24カ月点検などといった法定点検を行った際に内容を記録するための用紙になります。
定期点検整備記録簿で過去の整備の記録をもとに消耗品の交換を行うことが可能になります。
継続審査申請書
継続審査申請書は車検を発行する際に必要な書類になります。
申請書に記入した内容をコンピューターで読み取るため、丁寧に書きましょう。
申請書は当日、運輸支局や軽自動車検査協会で準備することもできますが、事前にデータをダウンロードして準備することができます。
その時に注意点がいくつかあるので、確認しておきましょう。
詳しい内容やデータは国土交通省HPより見ることができます。
ちなみに様式は第3号様式になります。
自動車重量税納付書
自動車重量納税書は、車検を受ける当日に準備できます。
車検時に自動車重量税を収めるときの書類になります。
自動車検査票
自動車検査票は車検時に検査項目ごとに合否を記録するための用紙になります。
車検時に保安基準に適合している場合のみ、自動車検査票に合格印が印字されることになります。
全ての項目に合格印が押されないと車検証を発行することができません。
自動車検査票も当日窓口で受け取ることができます。
まとめ
車検費用を大幅に抑えることができるユーザー車検について紹介させていただきました
車検費用を抑えたい方は当記事を通して、実際の検査項目は必要な書類、車検当日までの流れについて参考にしていただければと思います。
もし、自分で車検をするのは面倒だと思った方は、車検館の利用がおすすめです。
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