「コンプレッサーやカースプレーなどで塗装するのはちょっと大がかりすぎる…もう少し簡単に自家塗装できたらいいのに…」
このように思っている方も多いことでしょう。
実は、刷毛とローラーさえ使えば車の自家塗装は大して難しいことではないのです。
実際に、当サイト運営者は、タカラ塗料の「刷毛・ローラーセット」を使うことで約1.5万円で簡単に車を自家塗装することができました。
もし、自分の車をもっと簡単に自家塗装したいと思っているならぜひこの記事を参考にしてみてください。本記事では、刷毛とローラーで自家塗装する方法やコツ、メリットデメリットも合わせてご紹介していきます。
なお、「刷毛とローラーではなく、スプレー缶やスプレーガンで塗装したい」「マットな仕上がりではなくツヤツヤに塗装したい」という方は車塗装DIYの記事をご覧ください。

刷毛とローラーを使った車の自家塗装は6時間あればできる

今回は、刷毛とローラーを使って素人2人がかりでダイハツのミラを自家塗装しましたが、かかった時間は約3時間ほどです。
そのため、1人で自家塗装を行った場合は、塗装の準備から下地処理、仕上げにかかる時間はおおよそ6時間ほどになるでしょう。
もちろん大型のミニバンやSUVの場合は塗装面積が多くなるため、その分時間がかかることもありますが、一般的な普通車であれば6時間もあれば全塗装することができます。
実際の作業工程は後述しているため、ぜひ参考にしてみてください。
車の自家塗装に必要な道具はセットで購入できる

車の自家塗装を行うには塗装道具が必要になります。自家塗装に必要な道具はインターネット等でセット購入することができます。
たとえば、タカラ塗料の塗装道具セットを購入すれば、誰でも簡単に車の塗装を行うことができるのです。タカラ塗料の塗装道具セットには塗装に必要なすべての道具が含まれています。
タカラ塗料の塗料道具セットの内容
- ナイロン平刷毛
- ナイロン刷毛50mm
- ローラーハンドル
- ローラーカバー
- 下げ缶
- 内容器×2個
- 非鉄バインダーα刷毛付き容器500g
- 耐水ペーパー#600×4枚
- ウエス
- マスキングテープ24mm×5撒巻
- ワックスオフ1L
タカラ塗料の塗装道具セットには車の自家塗装に必要な専用道具がすべて含まれており、金額は6,800円というリーズナブルな金額に設定されています。
そして、塗料の種類も豊富にあるのが特徴です。たとえば、世田谷ベースカラーを使用して、車の自家塗装をした場合、塗料と塗装道具セット、バランサーを合わせてもわずか12,000円~15,000円ほどで購入できてしまいます。
【購入内訳】※今回はツートンにしため余分に塗料代がかかっています。
・世田谷ベースカラー 2kg:7,750円
・マッドブラック 1kg:5,230円
・塗装道具セット:6,800円
・バランサー:3,980円
合計:23,760円
軽自動車サイズであれば、2kgの塗料をすべて使用するわけではないため、実質は12,000円~15,000円ほどで自家塗装に必要なものをすべて揃えることができるのです。また、世田谷ベースカラーのような水性塗料の場合、バランサーの代わりに水道水を使用しても問題ありません。そのため、さらに費用を抑えることが可能です。
また、ワンポイントで色を変えたり、アクセントで差し色を追加したりする場合は約5,000円で塗料を購入することができるので、手ごろに自家塗装を楽しむこともできます。
プロに任せると意外とかかる塗装費用
自家塗装ではなく、塗装のプロに依頼すると意外と費用がかかってしまいます。
たとえば、ちょっとした擦り傷程度であれば、20,000円~30,000円ほどになりますが、車全体のオールペンの場合は最低でも300,000円以上はします。ボディサイズや塗装色、塗料の種類によっては800,000円ほどする場合も珍しくなく、プロに依頼した場合は意外と費用がかかってしまうのです。
とある塗装業者にオールペンを依頼したときの費用
車両タイプ | 概算費用 |
軽自動車 | 260,000円〜 |
軽自動車Lクラス | 334,000円〜 |
国産乗用車Sクラス | 315,000円〜 |
国産乗用車Mクラス | 356,000円〜 |
国産乗用車Lクラス | 397,000円〜 |
輸入車Mクラス | 434,000円〜 |
輸入車Lクラス | 478,000円〜 |
車の自家塗装の8つのステップ|やり方実践解説
それでは、誰でも簡単に車の自家塗装ができる8つのステップについて解説していきます。
※今回は、バンパーなどを外さずに塗装しました。
①洗車|ほこりや砂の除去


まず、車全体の洗車から始めます。ほこりやゴミなどがついたまま、塗装してしまうと、塗装後に浮きがでてしまったり、綺麗に塗装できなかったりします。
そのため、塗装前にしっかりとほこりやゴミを流すようにしましょう。
②マスキング|塗料の付着防止

次に、マスキング作業を進めていきます。マスキングというのは塗料が着かないように保護する役割があります。たとえば、ヘッドライトやガラスの縁、窓ガラスなど塗料が着いてはいけないところにマスキングを施すことによって、しっかりと保護することができるのです。万一、塗装時にローラーがはみ出してしまった場合でもマスキングを行っていれば、ヘッドライトや窓ガラスに塗料が付着することはありません。
③足付け|塗料を定着しやすくする


そして、足付け作業をすることで、より塗料が定着しやすくなります。通常、車のボディはツルツルしているため、塗料が定着しにくくなることが多いです。
そのため、足付け作業というサンドペーパーでボディ表面に小傷を付ける作業を行います。ボディに小傷を付けることで、表面に塗料が定着しやすくなり、キレイな塗装に仕上がります。
④脱脂|表面の油分の除去


脱脂作業では表面について油分を除去していきます。ここでは必ず手袋を着用しましょう。脱脂にはウエスとワックスオフを使用していきます。※ワックスオフはシンナーなので、直接肌に触れないようにしましょう。
⑤下塗り|塗料の引っ付きを良くする

未塗装の黒いバンパーなどの樹脂部分には、非鉄バインダーを使用して下塗り作業を行います。下塗り作業を行うことで樹脂部分などでも塗料の引っ付きが良くなる効果があります。
その他以下の素材に対応しています。
- 塗装されていないプラスチック部分
- ホイール
- 内装のプラスチック部分
- メッキ部分
⑥塗料の準備|塗料を薄める


そして、塗料の準備を進めていきます。まず、塗料の蓋を開けたらよくかき混ぜます。そして、内容器に塗料を入れてから指定の割合で塗料を薄めていきます。
塗料の種類 | うすめ液の種類 | うすめ率 |
水性塗料 | 水 (※バランサーを使うとよりムラを防げます) |
5~15% |
2液ウレタン塗料 | ウレタンシンナー | 20~25% |
ラッカー塗料 | ラッカーシンナー | 80~100% |
水性塗料で塗装する場合は、水の代わりに「バランサー」をうすめ液として使用することで、ローラー跡や塗装面のゆず肌も防ぐことができます。
⑦塗装|薄く均一に塗装


塗料の準備ができたら、塗装を進めていきます。全体的に薄く均一に塗装していくことがポイントです。
- 気持ち多めに薄めてかすかすに塗る
- 乾いてから3~4回重ね塗りする
今回はツートン塗装なので、まずは面積の大きい部分に世田谷ベースカラーを、残った箇所にマッドブラックを塗りました。ローラーでは塗装できない窪んだ部分は刷毛を使って少しずつ塗装していくことで綺麗に仕上がります。
また、ムラをなくすためによくかき混ぜながら塗料をつけていくことをおすすめします。
⑧仕上げ|塗り忘れの確認


全体的に塗料を塗り終わったら、塗り忘れがないか確認していきます。(塗り残しがあれば再度塗りなおしましょう。)
そして、全体的に確認が済んだら、マスキングテープを剥がしていきます。
マスキングテープは必ず塗料が完全に乾ききる前に剥がすようにしましょう。塗料が乾燥してからマスキングテープを剥がすと、塗膜が剥がれてしまう恐れがあります。したがって、塗装が終わったら、すぐにマスキングテープを剥がすのがポイントです。
刷毛とローラーを使って車を綺麗に自家塗装する3つのコツ
気温が高く、暑い夏の時期に塗装を行うと早く乾燥してしまうため、「ゆず肌」になってしまいます。ゆず肌とは表面に塗料の凹凸ができ、見た目がボコボコしてしまうことです。
そこで、夏の暑い時期でも車をキレイに自家塗装する3つのコツを紹介していきます。
適量より少し多めにうすめ液を入れて薄める
適量よりも少し多めのうすめ液を入れて塗料を薄めることで、キレイに塗装することができます。後述していますが、塗装する際は、1度で塗りきるのではなく薄く重ね塗りを繰り返しましょう。
季節に合わせて希釈剤を使用する

水性塗料の場合は水道水の代わりに希釈剤(バランサー)を使用することで、失敗のリスクを減らすことができます。水道水の代わりにバランサーを使用すると、塗料の乾燥を遅らせることができます。
一気に色を付けず何度も上塗りする
一気に色を付けずに何度も上塗りする方法もおすすめです。一度の全体を塗装してしまうと、どうしてもムラができやすくなってしまいます。そのため、何度も上塗りすることで、キレイな仕上がりになります。
刷毛・ローラーで車を自家塗装するメリット・デメリット
さて、ここまで刷毛とローラーを使った塗装手順について紹介してきましたが、最後にメリット・デメリットをまとめます。
刷毛・ローラー | スプレー缶 | スプレーガン | |
メリット | ・簡単に塗装できる(ペンキを塗るようなイメージ) ・塗料の飛び散りが少ない ・養生が最低限で行える |
・カー用品店やホームセンターで材料が揃う ・塗料を混ぜる工程が不要 |
・塗装時間を短縮できる ・塗料を均一に吹き付けやすい ・コンプレッサーを使うので力があまりいらない |
デメリット | ・道具の優劣が仕上がりに直接出てしまう ・ムラができたり、やる人によっては質の違いが出てしまう |
・スプレー噴射のため手が疲れる ・材料代が高くつく ・周囲に気をつけないと塗料が散布して他の車に迷惑がかかる |
・特殊な機材やスペースの確保が必要 ・塗料を調達し自分で調合する必要がある ・専用のブースで行わないと塗料が散布して他の車に迷惑がかかる |
総費用 | 1万円〜2万円程度 | 2万円〜3万円 | 5万円〜10万円 |
特徴 | ・ツヤのないマットな仕上がり ・レトロな雰囲気 |
・基本、ツヤありの仕上がり (使うスプレー缶によってマットにも仕上がる) |
・ツヤありの仕上がり |
難易度 | ★☆☆☆☆ | ★★★☆☆ | ★★★★★ |
本格的にツヤツヤに塗装したいならスプレーガンを使うのがおすすめ
本格的な塗装を目指すのであれば、スプレーガンの使用をおすすめします。スプレーガンを使用すれば、均一に塗料を吹きかけることができるため、キレイな仕上がりになります。
しかし、スプレーガンにはコンプレッサーやガン本体などの機材が必要となるため、初期費用がかかってしまうのがネックになるかもしれません。
- コンプレッサー無しで、吹き付け塗装をしたい
- 刷毛やローラーで塗装するよりも、より綺麗に仕上げたい
- 刷毛やローラーでは届かない、入り組んだ細かい部分の塗装をする予定
- 塗装を短時間で終わらせたい
こんな方は、100Vで手軽に吹き付け塗装ができる簡易塗装機もありますので、一度検討してみましょう。
機材を用意できない場合は缶スプレーを使おう
スプレーガンの機材を用意できない場合は缶スプレーを使用する方法もあります。
缶スプレーはホームセンターなどでも売られており、手軽に手に入れることができます。また、塗料の準備や調合などが必要なく、簡単に自家塗装できるのが特徴です。
ただし、車1台を塗装するのに約20本ほどの缶スプレーが必要なので、材料費は少々高くつくことになります。
タカラ塗料の塗装セットを使えば1.5万円で自家塗装ができる

タカラ塗料の塗装セットを使えば、15,000円で簡単に自家塗装ができてしまいます。
自家塗装に必要な道具はすべてセットに含まれており、豊富な色から塗料を選ぶことができます。初めての方や塗装に慣れていない方でも簡単で安く自家塗装することができるため、ぜひ挑戦してみてください。
まとめ
車の自家塗装はコツをしっかり押さえれば、誰でも簡単に塗装することができます。また、タカラ塗料の塗装セットには自家塗装に必要な道具はすべて含まれており、自家塗装に何が必要かわからない方でも気軽に挑戦することができます。
さらに、わずか15,000円ほどで塗料や道具を揃えることができるため、気軽に自家塗装することができるのが特徴です。ぜひ、一度試してみてはいかがでしょうか。