車の塗装は色付けと、コーティング両方の効果があります。
新車時から大切に乗っていても、年数が経つと劣化し、色褪せや塗装剥がれが発生してしまうことをご存じでしょうか。
車は外で乗るため、色あせや飛び石などによる傷は避けられません。
そういった環境でルーフは、車で最も高い部分にあり、自然環境の影響を受けやすい場所であるといえるでしょう。
また、上面であり損傷していても気づかないことが多いため、知らない間に損傷や劣化が進み、業者へ補修を依頼する時には、修理費が高額になってしまうことがあります。
難しい部分の施工であるルーフ塗装。
しかし「高額な板金代を払うのはもったいない!」、「どうせなら自分でやってみたい」そんな方の為にDIYでのルーフ塗装方法や、色あせの原因などについて解説していきます。
車のルーフとは?その役目を解説!
車のルーフと聞いても、あまりピンとこない方は多いのではないでしょうか。
答えは、英語で「roof」=屋根の部分を言います。ルーフは、日中の日差しや雨から凌ぐ役目をしてくれます。
車のパーツで最も広い面積を占める部分であり、天井という目に付きにくい場所なので、紫外線による劣化や擦り傷、凹みといった損傷に気づかないことも。
また、車の種類によってはルーフ部分がガラスやクリアな合成樹脂で出来た、サンルーフ(天窓)がついている車もあります。
天井が開くサンルーフは、天気のいい日に開放したり、クリアなガラスであるため日中は開放感が、夜は星空を眺めることができ、雰囲気を演出する役目もしてくれるのです。


色あせ・経年劣化・剥がれの原因は?
車のルーフは上面にあたる部分なので、傷などが付くことは少ないですが、紫外線による日焼けや雨、鳥の糞といった自然環境の影響を受けやすい部分になります。
ルーフが汚れると車の色が劣化しコーティングが無くなり、塗装があせて白くなることも。
また積雪地域では、信号機や屋根からの落雪でルーフが凹み、傷の原因となりえます。
なお、錆びてしまうと雨の影響を受け、傷みが悪化しやすくなるので注意しましょう。
また自宅の駐車場所にも注意が必要です。
駐車場に屋根がなく、雨ざらしであれば劣化する速度は早いです。
新車であれば、ボディの塗装表面にコーティングがかけられているので、10年程度は保護してくれますが、次第に劣化は進んできます。
また、中古車購入時はさらに要注意で、走行距離が少ない安い車だと思っても、年式が古ければボディの劣化は進んでいることがあります。
中古車を購入する際は、年式をよく確認しましょう。


車のルーフの塗装代はいくら?
車の最も高い部分であるルーフは作業する際、非常にやりにくい場所です。
板金業者に頼むと、その分手間がかかり工賃も高額になることがあります。
塗装面積も広く、施工量が多いため安いところで約6万~10万円、ディーラーに修理をお願いすると、約20万~35万かかってしまうことも。
また、修理に出す時はショップへ預ける必要があるため、代車の料金を確認することも忘れないようにしましょう。


ルーフの塗装が無料でできる?
ルーフの塗装は無料でできる場合があります。
メーカーによっても違いますが、トヨタはメーカー保証で塗装が無料でできる期間があります。
保証期間は以下の通りになります。
保証期間 | |
乗用車・バン・ワゴン車 | 新車登録日から3年間 |
トラック・ピックアップ | 新車登録日から1年間 |
参考:トヨタ公式HP
上記の表は目安で保証期間は車種によっても異なるので、気になる方はお近くのディーラーに問い合わせしてみてください。
ルーフ塗装はDIYでする手も
ルーフの塗装剥がれや擦り傷、凹みは自分で補修することが出来ます。
修理方法としてはコンパウンド(研磨材)で磨き、ガラス面にマスキングを行って塗装、補修します。
初めて行う作業としては少し難しいですが、天井部分はあまり目立たないので、一度チャレンジしてみてはどうでしょうか。
【ルーフの色あせ、擦り傷・凹み補修方法】
ルーフ全面を水洗いする。
汚れや細かな塵などを洗い流します。
その際、スポンジだけでは取れにくいので、濡れた布でも汚れを拭き取りましょう。
汚れが洗い流せてないと、汚れに含まれる小石で、さらにルーフに傷を付けてしまう恐れがあります。
擦り傷やザラザラした部分をコンパウンドで研磨する。
スポンジまたは、布にコンパウンド(研磨材)を付け、ルーフの色あせ部分を磨きます。
磨く時に力を入れ過ぎると、ボディを削りすぎたり、ムラが出るため軽く撫でるイメージで行うとよいでしょう。
より綺麗に仕上げたい場合は、粗目コンパウンドで研磨した後、細か目のコンパウンドと段階を踏んで仕上げていきます。
凹みはパテで補修する。
凹み部分が深さ1㎝以内であれば、パテで補修を行います。
パテの接着を良くするため、まずシリコンオフなどで油分を取り除きます。
凹みの一番深い所を起点に、パテを押し付けるよう塗り付け、凹み部分全面にパテを塗ります。
硬化まで約20分ほど待ち、パテが硬化したら、粗目の耐水ペーパーでパテ塗りした外側から中央へ向うように磨いて行きます。
仕上げに、細かい目の耐水ペーパーで、表面がツルツルになるまで磨き、綺麗な布でパテの削りカスを拭き取れば、作業は完了です。
最終、素手で補修部分をなぞり段差が無いか確認しておきましょう。
塗装部分以外にマスキングを行う。
ガラス面やその周りにマスキング行いますが、新聞紙なども活用して全面覆っておきましょう。
塗装の際、塗料が飛び散る恐れがあるため、隙間無く防護出来ているか、しっかり確認しておいてください。
カラースプレーやカラーペンで塗装する。
車に使用されている色は、型式プレートにカラー番号が書かれてあるので、同じカラー番号を購入し、塗装を行います。
まず錆止め、ボディの保護のために下塗りを行います。
数回に分け重ね塗りし乾燥させ、ムラや塗り忘れが無ければ、パテ同様に耐水ペーパーで磨きましょう。
次にカラースプレーとクリアー塗料を使い上塗りを行い、色を原色と合わせて行きます。
塗装が完了したら、マスキングテープを外します。
塗装後、コンパウンドで仕上げ磨きする。
細か目のコンパウンドを使って、塗装のムラやザラつきを磨きパテ補修と同じく、表面がツルツルになるまで磨きます。
最後に、素手で触りザラつきが無いかを確認して完了です。

DIYでは難しいという意見も
ルーフは背が高い部分でもありますし、面積が広いので塗装がムラになりやすかったりと他の部分よりも塗装が難しい傾向にあります。
脚立などに乗って作業するのもいいですが、広いルーフの塗装を行うには移動する必要があるので少し面倒ですよね。
不安な場合は思い切って、業者に頼んだ方が安心でしょう。
プラサフ1本じゃ足りなかった
ホムセンが開いたら買い足しに行くか
ルーフの塗装ってホイールの比じゃないくらい難しい#DIY#mazda6#atenza pic.twitter.com/LmzxHg93Pu— 茉莉@チョイノリ冬眠中 (@T4K45H1M4T5U1) July 30, 2022
また、気分転換でルーフの色を変えたい場合はカーラッピングをしてみるという手もあります。
塗装よりも安価なので、お財布にも優しいです。

まとめ
車は長い年月が経つと、ボディは劣化して塗装が剥がれてきます。
また、ルーフは車の上面であり日差しなどの影響を最も受けやすい箇所です。
知らない間に経年劣化は進んできますので、洗車した時などは、市販のコーティングを行うように心がけましょう。
メンテナンスせず、そのままにしておくと約10年で劣化がひどくなってしまい、業者にお願いすると塗装費用に10万程度かかってしまいます。
ルーフを劣化させないためにも日頃からこまめなメンテナンスを行いましょう。