もともとカスタムカーやスポーツカーの間で人気だったマット塗装ですが、近年はスポーツカー以外でもマット塗装が注目を集めています。
それは、圧倒的な存在感や高級感が魅力の1つになってきているからです。
しかし、業者に依頼してマット塗装をすると高くつく上に、洗車方法など通常の塗装と比べて何かと手間がかかってしまうのも事実。

車のマット塗装(艶消し)は近年ニーズが高まっている
マット塗装とは文字通り、塗装がマット調になるもので、艶消し塗装と呼ばれることもあります。
通常の光沢がある塗装ではなく、艶がない塗装のため、カスタム感が強くなる印象があります。
したがって、スポーツカーなどの間で人気のカラーリングとなっていましたが、昨今はスポーツカー以外の普通車にもマット塗装を施すのが流行となってきています。
車をマット塗装にするメリットは「圧倒的存在感」
車をマット塗装にする最大のメリットは、なんといっても圧倒的な存在感にあります。
他とは違うカラーリングに仕上がるため、どこを走っていても人目を浴びるでしょう。また、同じブラック色のカラーリングであっても、艶があるのと艶がないマット塗装とでは、高級感に差が出ます。
特に、マットブラックの場合、シンプルながらも、高級感があり、非常に強い印象を残すのが特徴です。
車をマット塗装にすることで、光沢があるボディカラーよりも、より高級感を演出することが可能なのです。
車をマット塗装にするデメリットは「メンテナンスの手間」
一方、車をマット塗装にするデメリットとしてはメンテナンスの手間が挙げられます。
通常の塗装とは異なり、一般的なガラスコーティングを行うことができません。さらに、洗車機に通すこともできないため、洗車を行う場合は手洗いする必要があるのです。
しかし、最近ではマット塗装に対応したコーティングも開発、販売されています。
ただし、通常のガラスコーティングよりも費用が割高となり、コーティングをしていても定期的なメンテナンスが必要となってしまうのがデメリットです。
マット塗装を行うには、手間をかけたメンテナンスが必要となることを覚えておきましょう。
車をマット塗装(艶消し)する方法と費用の目安
実際、車をマット塗装するにはどのようにしたら良いのでしょうか。ここではマット塗装の方法と費用の目安を紹介していきます。
マット塗装は一般的な塗装の工程と変わりません。しかし、最後のクリア塗装や磨きの工程がなくなるため、通常の塗装よりも工程が少なく済むのが特徴です。
塗装工程が少ないことや、磨きの必要がないことから、DIYでマット塗装に調整する人も少なくありません。DIYの場合、塗料のみの費用で済むため、費用を大幅に抑えることができます。
しかし、万が一失敗してしまった場合は再塗装に余分な費用がかかってしまうため、注意が必要です。したがって、完璧な仕上がりを求めるのであれば、塗装業者に依頼することをおすすめします。
塗装業者 | 自家塗装 | ||
塗装方法 | スプレーガン | ラッピング | 刷毛・ローラー塗装 |
特徴 | 一般的に想像される塗装専用の機械を使ってプロが行う塗装方法 | 専用のシートを張り付けて車体カラーをカスタマイズする方法(DIYでは難易度が高い) | ペンキを塗るようなイメージで、刷毛やローラーを使って塗っていく塗装方法 |
メリット | ・ムラがなく綺麗に仕上がる ・自家塗装より耐久性が高い |
・飽きたら簡単にボディカラーを変えられる ・フィルムを剥がせば元の塗装状態に戻る |
・初心者でも簡単にマット調にできる ・格安で仕上げることができる |
デメリット | ・簡単に元通りの色に戻せない ・自家塗装よりもはるかに価格が高い |
・スプレーガンでの全塗装よりも高価 ・傷がついたときの部分的な補修が難しい |
・DIYなので自分でする必要がある ・道具の優劣が仕上がりに直接出てしまう |
費用 | コンパクトカークラス:約20万円~ 大型のミニバンやSUV:約35万円~ |
コンパクトカークラス:約30万円~ 大型のミニバンやSUV:約60万円~ |
・約1万円~2万円 |
マット塗装(艶消し)した車のお手入れ方法
マット塗装をした車は、汚れが付いてしまうと取れにくく、きれいに洗車ができません。艶消しをしているため、手垢や小さな傷が目立ちやすくなっています。
マット塗装の表面をコンパウンドで磨くと塗装全体のムラが出てしまうため、基本的にコンパウンドは使えません。
1.手洗い洗車をする
マット塗装をした車の洗車方法の基本は、手洗い洗車です。洗車機やコンパウンドを使えないので、マイクロファイバータオルなどで丁寧に洗い直していきます。
中性シャンプーで洗う時は、まずシャンプーで洗って水ですすぐ通常の洗車と同じ方法になります。
2.ケミカルを使って洗車する
マット塗装をした車に汚れをがあった時は、擦らないようにしましょう。
軽い汚れの場合は、中性のカーシャンプーで洗い流します。一方、頑固な汚れの場合はコンパウンドが使えず、汚れの種類や程度によってケミカルを使う必要があります。
完璧な仕上がりを目指すなら「塗装業者」に依頼
完璧な仕上がりを目指すならDIYでは限界があります。
特にマット塗装はホコリなどが付着しやすいため、塗装に慣れていないと難しく感じるかもしれません。
そこで、よりクオリティの高いマット塗装を目指すのであればプロの塗装業者に依頼することをおすすめします。
デメリットは「費用の高さ」
プロの塗装業者に依頼すれば、クオリティの高い仕上がりになります。しかし、塗装費用が高いのがデメリットとして挙げられます。
車の大きさにもよりますが、全塗装であれば20万円以上の費用がかかることが一般的です。
マット塗装は通常の塗装工程よりも作業工程自体は少ないものの、それなりの技術が必要となります。
さらに、完成後にはマット塗装専用のコーティングを行うことが一般的なので、どうしても金額が高くついてしまいます。
【全塗装の場合の費用目安】
・軽自動車やコンパクトカークラス:約20万円~
・大型のミニバンやSUV:約35万円~
※ドアを締めた状態で、外側のみの塗装の場合:約10万円~
費用を抑えて好きな色に変えるなら「自家塗装」
費用を抑えて車の色を変えるなら自家塗装を検討してみても良いかもしれません。
プロが使用するスプレーガンを使えば完成度の高い仕上がりになりますが、コンプレッサーや特殊なスプレーガンが必要となるため、難易度が高い上に初期費用がかかってしまうのがネックになります。
そこでおすすめするのが、刷毛・ローラーなどを使用して簡単に自家塗装する方法です。
刷毛・ローラー | スプレー缶 | スプレーガン | |
メリット | ・簡単に塗装できる(ペンキを塗るようなイメージ) ・塗料の飛び散りが少ない ・養生が最低限で行える |
・カー用品店やホームセンターで材料が揃う ・塗料を混ぜる工程が不要 |
・塗装時間を短縮できる ・塗料を均一に吹き付けやすい ・コンプレッサーを使うので力があまりいらない |
デメリット | ・道具の優劣が仕上がりに直接出てしまう ・ムラができたり、やる人によっては質の違いが出てしまう |
・スプレー噴射のため手が疲れる ・材料代が高くつく ・周囲に気をつけないと塗料が散布して他の車に迷惑がかかる |
・特殊な機材やスペースの確保が必要 ・塗料を調達し自分で調合する必要がある ・専用のブースで行わないと塗料が散布して他の車に迷惑がかかる |
総費用 | 1万円〜2万円程度 | 2万円〜3万円 | 5万円〜10万円 |
特徴 | ・ツヤのないマットな仕上がり ・レトロな雰囲気 |
・基本、ツヤありの仕上がり (使うスプレー缶によってマットにも仕上がる) |
・ツヤありの仕上がり |
難易度 | ★☆☆☆☆ | ★★★☆☆ | ★★★★★ |
デメリットは「塗装にかかる手間」
自家塗装の場合、すべての作業を自分で行う必要があります。
塗装前の洗車はもちろん、マスキングテープを使って養生を行います。仮に、しっかりと養生を行わなければ、塗料がついてほしくない窓ガラスやゴムモールなどに付着してしまい、塗料が取れなくなってしまうリスクもあります。そのため、入念に養生作業を行うようにしましょう。
そして、下地を塗装し、好きな色でマット塗装を行っていきます。乾燥にも時間がかかってしまうため、多く見積もって1日がかりと思っていてもいいでしょう。
さらに、使用する塗料によっては、飛び石などですぐに剥がれてしまったり、数ヶ月で日焼けしてしまったりなんてこともあります。また、塗装に慣れていない場合は満足いく仕上がりにならないこともあるでしょう。
刷毛とローラーで塗装する方法を詳しく知りたい方は以下をご覧ください。

塗装以外にもフィルムを使う「フルラッピング」という方法もある
塗装以外にもボディカラーを変える方法があります。
フルラッピングという特殊なフィルムを車体に貼る方法があるのです。フルラッピングであれば、乾燥などの時間が必要ないため、短時間でボディカラーを変えることができます。
特に、専用のラッピングフィルムにはマット系の色が豊富に用意されているため、好みの色に仕上げることができるでしょう。また、再剥離が可能なので、ラッピングフィルムを剥がせば、すぐに元通りに戻すことができるのが特徴です。
最近ではフルカラープリントのラッピングなどもあり、再現性が高いデザインを実現することが可能です。
デメリットは「部分補修の難しさ」
フルラッピングは短時間で色を変えることができるというメリットがありますが、万一、表面に傷などがついてしまった場合、部分補修ができないのがデメリットです。
通常、ボンネットやルーフ、フェンダーなど、パーツごとに1枚のラッピングフィルムを使用して施工していきます。その反面、ボンネットに小傷が出来た場合でもその部分だけを補修することは難しく、ボンネット部分を1枚まるごとラッピングしなおさなければならないのです。
また、車両の状態や保管状況によっては耐久性に影響を及ぼすため、紫外線によって色味が変わったり、退色してしまったりということもあります。
他にも、ボディ形状によっては塗装よりも費用が高額になる可能性が高いです。フルラッピングは人の手によって特殊なフィルムをボディに貼っていきます。伸縮性があるものの、ボディ形状が複雑であれば、施工難易度があがってしまいます。
そのため、車によっては塗装よりもフルラッピングの方が高額になることも珍しくありません。
とある専門店に依頼した場合の費用相場
軽自動車 | SUV | 大型ミニバン | |
ボンネットのみ | 約4万円 | 約5万 | 約5万円 |
ボンネット+ルーフ | 約7万円 | 約7万 | 約7万円 |
バンパーのみ | 約8万円 | 約8万 | 約8万円 |
フルラッピング | 約30万円~ | 約60万円~ | 約77万円~ |
刷毛とローラーでのマット塗装ならタカラ塗料がおすすめ

「タカラ塗料」にはマット塗装に必要な塗料や下地材、刷毛やローラー、マスキングテープなどがすべてセットで販売されています。
つまり、タカラ塗料の塗料セットを購入すれば、誰でも簡単にすぐにマット塗装を行うことができるのです。
自家塗装の場合、どの塗料を買えば良いかわからなかったり、どのような道具が必要になるのかわからなかったり、塗装道具を集めることがハードルになってしまうのです。
しかし、タカラ塗料ではマット塗装に必要なすべての道具や塗料がセットになっているため、誰でも簡単に自家塗装が行えるのです。
まとめ
近年、スポーツカーだけでなく、一般の車でもマット塗装の人気が高まってきました。
マット塗装は通常の塗装よりも高級感を引き出すことができ、個性のある仕上がりにすることができます。
しかし、プロの塗装業者に依頼すると20万円以上の費用がかかってしまいます。
そこで、タカラ塗料の塗装セットがあれば、誰でも簡単にマット塗装を行うことができるのです。マット塗装が気になる方は、ぜひ参考にしてみてください。