「ぶつけてしまって、、車に小さなへこみができてしまった」「いつの間にか、、ドアに小さなへこみがついている」
大切にしている愛車ほど傷がついたときのココロのダメージは大きいものです。
そのまま乗るには格好悪くて恥ずかしい。でも、修理工場で見積もりを見たときに「え!こんなにするの!?」と驚いて思わず躊躇した経験もあるし、修理工場に預けるにも「クルマを使いえない期間が長いし」と頭を悩ませていませんか?
そんな方にこそオススメしたいのが、「自分で(DIY)で修理する」こと。
自分で修理をすると、手間は少々かかりますが費用を大幅に抑えられます。
そして、意外にも自宅にあるちょっとしたもので凹みを直せる場合もあります。
「でも、本当に自分でへこみを直せるの?」と不安なかたもいらっしゃるかもしれません。
この記事では、小さなへこみを自分で修理する方法、そのメリットとデメリット、板金屋や修理工場におまかせする場合の修理費用について解説します。
自分でトライできるヘコミの目安(大きさと形態)
ご自身でDIY修理ができる「へこみ」としては、下記を目安としてみてください。
- 深さ5mm未満
- おおよその外径が最大10cm未満
- 塗装が割れていないこと
- へこみが滑らかであること(カドが出ているような鋭角的なへこみではないこと)
特に塗装が割れていたり、地金に折れ筋が出ているようなへこみは、迷わず修理工場にご相談されたほうが賢明です。あくまで、小さな軽微なへこみをイメージしてください。
自分で車のへこみを治す6つの方法
さて、ここからは自分で出来る小さなへこみ修理の方法6選を紹介します。
身近なものを使い、「熱」と「衝撃」という原理を用いた簡易的な手法です。
熱を使う方法
車のへこみに熱湯を使用する

意外に思われるかたも多いかもしれませんが、車のへこみの直し方に熱湯が効果的です。
ドアのような外板もバンパーのような樹脂も、熱によって膨張します。
この力を利用して元の形状に戻すというやり方です。
カップ焼きそばのお湯を、シンクに流すときに、突然ボゴッという音を聞いたことはないでしょうか。
シンクが熱で膨張するときに行き場を失って面側にポンと飛び出る、あるいは凹むというのが原理で、とてもシンプルな現象です。
- 車のへこみ部分に、熱々の湯をかけてください。
※熱湯の扱いに注意してくださいね。 - そして、へこみの部分を裏側から手で押し出します。
これだけです。
手袋と何かタオルのようなものをあてがって少しづつ押すと、ぽん!と戻ることもあります。
コツは1本の指先ではなく、できるだけ「面」で押すことです。
手のひらなどを使うと全体的に押し戻すことが出来ます。


ただし、熱湯には注意してくださいね。
ドライヤーを使ってピンポイントで熱を加える

ドライヤーをへこみ箇所にあてる方法があります。
原理は先のお湯を使うものと同じですが、よりピンポイントで熱を加えることが出来ます。
熱湯と同様に熱を加えてから、裏面から少しづつ押し出すというやり方でトライしてみてください。
ちなみに、プロはヒートガンというドライヤーをより強力にしたものを加熱に使います。
吐出温度は300~600℃となり、とても高温で作業がし易いものです。
但し、火傷にはご注意を!
吸盤を使ってへこんだ部分をひっぱり戻す
熱湯やドライヤーで熱を加えた後に裏から押すのではなく、吸盤でへこみを引っ張って直すという方法もあります。
この直し方は板金工場でもやっている方法ですので、作業がうまくいくとキレイに仕上げることも可能です。
大まかに吸盤で引っ張り出してへこみを目立たなくしてから、再度熱を加えて裏から手で押して、細かなへこみを修正するという流れが良いと思います。
通販サイトなどで車のへこみ直し用の吸盤が販売されており、吸盤の値段は2,000円前後が相場となっています。
冷却スプレーを使用する
裏側から押し出しにくい箇所では、ドライヤーで熱くしてから冷却スプレーで一気に冷やすという直し方もあります。
急速に冷却することで金属が収縮して元の形状に戻ろうとする力が急激にはたらき、へこんでいた部分が元に戻ろうとする方向に力を貸してくれることもあります。
熱を加えて材料を膨張させても戻ろうとしない場合には、急冷も組み合わせることでポン!と戻ることもありますので、是非知っておいてください。
衝撃を利用する方法
グルーが外れる衝撃で復元させる
傷のついていない小さなへこみが補修対象となりますが、表からグルー※(接着剤)を溶着させて引張り、グルーがバンッ!という音と共に外れる衝撃で、凹んでいた部分をもとに戻すデントリペアというやり方があります。
特に難しい作業ではないので、オススメのやり方のひとつです。
最近は、このデントリペアセットがとても安く売られていますので、いざという時に持っておくと重宝します。
- へこみの大きさに合うグルーを貼り付けるピンを選ぶ
- 貼り付ける面を清掃した上でグルーガンでピンを接着し、器具に装着する
- 冷却されて接着が完了するまで待つ
- 器具のツマミを廻してピンが外れるまで引張る (この流れを繰り返す)
ハンマーでカタチを整える
へこみがある部分の裏側からハンマーで叩いて、形を整えていく直し方です。
基本的には、熱を加えていない状態で叩きますが、力は必要としません。
軽く叩くことを意識しましょう。
金属は思う以上に柔らかいものです。
叩きすぎると必要以上に伸びてしまい、元に戻すのが難しくなりますから。
これまで述べてきたようなやり方で、大まかにへこみを戻してから、あくまで最終的な微調整の段階で使用すると良いですね。
また、ハンマーは頭部が金属製のものではなく、樹脂製のものを使用すると、力がダイレクトに伝わらず、少しずつへこみを直していけるのでDIYではおすすめです。
特に打面がなるべく平たいものを選択すると良いでしょう。
いずれにしても、とにかく慎重に。
デントリペアを使用する
「デントリペア」とはパーツのわずかな部分から道具を挿入、またはへこみの上から引っ張ってへこみを直す方法になります。
軽いへこみの場合はデントリペアでへこみの跡が分からないぐらい修理することができます。
塗装面にキズがある場合は、デントリペアを使用した後に塗装を施すことで見た目にも遜色なく修理することができます。
【使用方法】
①へこみの内側に到達するようにデントツールを差し込む
②デントツールを少しづつ押し、へこみを潰していく
③わずかに残った凹凸は板金ハンマーで叩いて滑らかにする(優しい力で)
デントリペアを使用するときの板金ハンマーを使用するときも強く引っ張ったり、強くたたいてしまうとデコボコになってしまうので、優しい力で施工するように心がけましょう。
自分(DIY)で修理することのメリットとデメリット
自分で修理するメリットとは
- 板金屋や修理工場にお願いするよりも費用を安く抑えられる
- 自分で修理するので車を預ける必要がなく、生活の足を奪わられない
- 自分のクルマを修理することで達成感が得られ、クルマへの愛情が深まる
へこみの修理道具は、DIYのため、基本的に家にあるものでできますし、購入するとしても5000円未満の出費です。
時間とやる気さえあれば「いつでも自分のペースで実行できる」ということも自分で修理することのメリットのひとつと言えるかも知れません。
自分で修理するデメリットとは?
- 板金屋や修理工場のプロの仕上がりレベルには届かない可能性がある
自分でへこみ修理を試したものの、元のへこみの状態によっては綺麗にならず、損傷を余計に広げてしまって、結局は板金屋や修理工場に持っていくことになってしまうこともリスクのひとつかもしれません。
そのようなことを避ける意味でも、どうしても分からない場合は、詳しい方やお店に確認するなどしてみる必要があるかと思います。


板金屋や修理工場にお願いするメリットとデメリット
板金屋や修理工場にお願いするメリットとは?
- やはり仕上がりがキレイということ
板金を生業としているプロに任せるわけですから、当然へこみがあった形跡をほとんど残すことなく修復できます。
メリットとしてはこれに尽きます。
板金屋や修理工場にお願いするデメリットとは?
- 自分で修理するよりも修理代が高価となること
- 修理している間は車を使えないこと
修理代については、損傷箇所ごとの軽微なへこみ直しのおおよその修理費用は以下の通りです。
パーツ | 修理費用(相場) |
ドア・フェンダー | 約40,000円 |
ドアミラー | 約10,000円 |
バンパー | 約25,000円 |
小さな凹みの範囲であれば3万~5万円程度、大きな凹みであれば5万~10万程度の出費は覚悟しておきましょう。
これらの費用は、プロの仕上がり品質を考えれば納得はできるとしても、通勤などに毎日車を使っている方にとっては、たとえ数日の間でも使用できなくなるのは困ることもありますね。
また、大きな修理工場では代車サービスが用意されていることもあるので、もし依頼することとなれば、確認をしてみてください。


板金屋や修理工場でのへこみ修理にかかる時間の目安
修理にかかる時間はへこみ箇所によって異なります。
へこみ修理時間の目安は、一般的には以下を目安としてください。
- フロントバンパーであれば2日間程度
- リアバンパーであれば4日間程度
- クォーターパネルやドアであれば5日間程度
時期によって込み具合も異なりますので、事前予約することをおすすめします。
同時に、台車の予約確認も忘れずにおこないましょう。
車がへこんだ時に注意することは?
車がへこんだ時には修理以外にも注意する点が2点あります。
それぞれ紹介していきたいと思います。
凹みは早めに直す
へこみがずっと車にあると見た目にも遜色がありますが、最大の懸念点はボディにサビができてしまうということです。
車は塗装面があることでボディにサビが出てしまうのを防いでくれています。
へこみやキズを放っておくと雨などの水に触れてしまうことで塗装面の亀裂から水分が入ってサビが広がってしまう可能性があります。
ボディにサビができないようにするためにもへこみは早めに直すようにしましょう。
保険を使用する場合は等級に注意する
車がへこんだ場合は保険を使用して安く修理することができます。
しかし、保険を適用したことにより等級が上がってしまい、年間で支払う保険料が多くなってしまいます。
よほど大きなへこみがない場合は全額自費で修理したほうが安く済む場合もあります。
もちろん損傷が激しく修理費用が高額になる場合は保険を使用した方が金銭的にも楽な場合は保険を使用しましょう。
場合によって保険をしようするか、しないか判断することがお得に修理する上で重要になります。
まとめ
自分で車のへこみを修理することは、意外にも自分でできる場面もありそうだと思いませんか?
基本的に必要なものは、ドライヤー、冷却スプレー、ハンマー、吸盤など。半分は自宅にあるものでしょうし、もし購入するとしても安価に入手できます。
ただ、当然ですが、修理のクオリティにこだわるのであれば、プロに任せることがおすすめです。
自分で修理した場合、さらに損傷をひどくしてしまう可能性もあります。
自分で対応できるへこみかどうかを見極める必要がありますので、この記事をぜひご参考にされてください。
以上、「まずは自分でやってみよう!車の小さなへこみの直し方6選」でした。
ご参考情報
その他、安価に済ませる方法 「中古部品の活用」
自動車部品のリサイクルがかなり促進されている現在は、ドアやフェンダー、ハッチドアやバンパーなどの外装部品もかなり安価に入手できます。
この記事のように、小さなへこみなどは自分で修理することが最も安価ですが、キレイな中古部品を入手して自分で交換するという道もあります。
そのような販売店が沢山ありますので、へこみ等の状況に応じて、是非、選択肢のひとつとされてみたらいかがでしょうか。
「自動車 中古パーツ」でググってみると中古部品を販売するお店や企業が沢山出てきますので、是非お調べになってみてください。