「適切な時期にエンジンマウントを交換して、安全にドライブがしたい!」
「エンジンマウントの交換ってどのくらいお金がかかるの?」
そんな疑問に答える記事です。
本記事では、エンジンマウントの適切な交換時期や交換方法、交換にかかる費用について解説していきます。
走行時の故障や騒音が起こらないようにするためにも、日頃からエンジンマウントが劣化していないか確認しておきましょう。
エンジンマウントとは?
「エンジンマウント」とは、車のボディにエンジンを固定している部品のことです。ゴム製の部品で、走行時にかかるエンジンの振動を吸収してくれています。
エンジンマウントは頻繁に交換する必要はありませんが、常に振動を受けているため、経過年数による劣化は避けられないものとなっています。
エンジンマウントの劣化状態を知る
エンジンマウントは上記でも述べたように、経過年数により劣化する部品です。以下では、劣化を確認する方法と主な劣化原因、放置するリスクについて解説します。
エンジンマウントの劣化を確認する方法
エンジンマウントが劣化した際の初期症状は、加速時や減速時に異音が鳴ることがあげられます。例えば、エンジンルームからの「キュルキュル」などの音、ボディーからの「キシキシ」というきしみ音などです。また、車全体に伝わる振動が大きくなるという現象がみられることもあります。
AT車とMT車ではエンジンマウント劣化の確認方法が異なります。
●AT車で確認する(2人で)
1.車が動かないように、サイドブレーキをしっかりとかける
2.シフトをDレンジに入れる
3.左足でブレーキをかける
4.右足でアクセルを徐々に踏む
この方法でエンジンが明らかに持ち上がる場合は、エンジンマウントが劣化しており、交換が必要だと考えられます。多少動くのは問題ないため、エンジンがどのくらい動いているかを、誰かに横からチェックしてもらいましょう。
●MT車で確認する(1人で)
加速時や減速時に異音や振動を感じる場合は劣化の恐れがあります。
1速から2速などの低いギアでシフトチェンジした際に、ギアの入りが悪いと感じるのであれば、エンジンマウントが劣化している可能性があります。
エンジンマウントの劣化原因
エンジンマウントは、車の中でも重要なエンジンを支えているため、エンジンの振動や熱により徐々に劣化し、性能も落ちてしまいます。
経年劣化により、ひび割れやゴムがちぎれてしまうこともあります。
急加速や急減速を繰り返すことや、MT車で雑にクラッチ操作をすることはエンジンマウントが早く劣化する原因にもつながるため、注意が必要です。
エンジンマウントの交換を放置するリスク
エンジンマウントが劣化しているにも関わらず放置すると、様々なリスクが発生してしまいます。
エンジンの振動や熱によりゴムがちぎれたとしても、エンジン自体が脱落するわけではないため、車検に落ちるということはありません。
ただ、振動や異音が不快に感じるだけでなく、エンジンマウント付近の部品も故障するおそれがあります。
他の部品の交換まで必要になると、思っていたより出費が多くなってしまうかもしれません。少しでも異変を感じたら、早めに交換しておきましょう。
エンジンマウント交換時期の目安
一般的な交換時期は、「10年間経過」したタイミングや、「10万km走行」したタイミングで行うことがメーカーから推奨されています。
あくまで目安であり、走行距離や経過年数によっても異なるため、異変があった場合は一度点検をしておきましょう。
エンジンマウントの交換費用と工賃
以下では、エンジンマウントを交換する際の費用や工賃について解説します。
エンジンマウントを交換するためには、「部品代+交換する際の工賃」がかかります。エンジンをジャッキやクレーンで持ち上げる必要があるため、ディーラーや整備工場へ依頼するのが一般的です。
エンジンマウント交換時の価格
一般的なゴム製のエンジンマウントは、1個当たり3,000~4,000円程度です。車1台に対して3個のエンジンマウントが使われるため、部品代は9,000~12,000円程度になります。
外車などでは、1個あたり8000円程度の液体封入式、1個あたり1万円前後の電子制御式のものが使われていますが、一般的な国産車には使用されません。
オートバックスなどの業者へ依頼する際の交換費用
エンジンマウントの交換を業者へ依頼した場合、軽自動車であれば作業時間が1~2時間で1万円程度、普通乗用車であれば2~3万円程度の工賃が発生します。
ディーラーは、整備工場へ依頼した場合よりも工賃が高くなるため、信頼できる整備工場があれば依頼してみると良いと思います。
また、オートバックスのようにWebで簡単に予約ができる業者もあります。気軽に問い合わせすることができますので、気になる方はぜひチェックしてみてください。
(リンク:https://www.autobacs.com/static_html/srv/top.html)
エンジンマウントを自分で交換する方法
業者へ依頼した際の工賃について解説しましたが、整備経験があり、道具などがそろっている場合は自分で交換を行うことも可能です。工賃がかからず部品代だけでできるため、少しでも出費をおさえることができます。
・【整備動画】エンジン・ミッションマウント交換作業紹介します 【軽自動車 ホンダライフ JC1】
・【コラボ】エンジン/ミッションマウント交換【ベンツE320(W124)】
①交換に必要な部品を揃える
・新品のエンジンマウント
・ジャッキ
・チェット
・ディープソケット(14mm)
・ショートソケット(12mm)
・メガネレンチ
・ニトリルゴム手袋
・スプレー潤滑剤
②ジャッキアップする
車をジャッキアップして、エンジンを浮かせるために下からジャッキで支えます。
エンジンマウントにかかる力を軽くするために、ジャッキの位置を調整したり、当て木
などで負担を分散させます。
③古いエンジンマウントを外す
固定されているボルトを外して、古いエンジンマウントを取り外します。
車種によってボルトは2本と3本の場合があり、エンジンマウントの場所によってはロング型のメガネレンチが必要になります。
④新しいエンジンマウントを取り付ける
新しいエンジンマウントを付けていきます。
ジャッキの位置が合っていたら、ネジを差し込むだけで取り付けられます。外したときの逆の手順でボルトを締めたら完了です。
⑤ジャッキを下ろしたら交換完了
左右全てのネジとナットを締め、エンジンマウントが固定できたら、エンジンを支えていたジャッキを下ろします。最後にゴムカバーを元に戻したら完了です。
エンジンマウントを交換する際のポイント
・3つのエンジンマウントのうち、エンジン後方のエンジンマウントは最も傷みやすい部品です。全て交換したほうが良いですが、
時間やコストの問題がある場合は、後方のエンジンマウントから交換しましょう。
・エンジンマウントを交換するとき、ボルトやナットも同時に交換するのがおすすめです。振動を受けたことにより、周辺部品も故障している可能性があります。
ボルトやナットについては比較的安価なものが多いため、新品に取り替えるのも良いかと思います。
・エンジンマウントを交換するためには、エンジンをジャッキなどで持ち上げなければならないため、自分で交換するにはハードルが高いと考えられます。
工賃はかかりますが、ディーラーや整備工場に相談するのがおすすめです。
まとめ
今回は、エンジンマウントの交換時期や交換方法についてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
あまり意識することはありませんが、振動を吸収してくれる大事な部品で、快適なドライブに欠かせない重要なパーツです。交換せずに放置していると、車が走行できない状態になってしまうかもしれません。
異音や振動など少しでも異変を感じた場合は、早めに点検や交換を行い、安全に走行できる状態にしておきましょう。