「エンジンがかからない原因はセルモーターの故障が原因?」
「セルモーターから異音がするけど、どう対処したらいいのだろう?」
「セルモーターの交換費用はどれくらいかかるの?」
もし上記のような疑問があれば、この記事で解決できます。
セルモーターが故障してしまうと、エンジンがかからず車が動かせない状態になります。また、セルモーターが原因でエンジンがかからないと思っていたけど、実際はバッテリー上がりやその他の部品が故障しているといったことも・・・。
まずは落ち着いて対処することが大切です。安全な路肩などに留めて、原因や対処法について考えましょう。そして、自力では無理だと判断した場合、カーバッテリー110番に速やかに連絡することがオススメです。
この記事では、セルモーターの故障時の対処法と考えられる原因、交換費用についてまとめています。ぜひ参考にしてください。
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そもそもセルモーターとは?その役割について

エンジンをかける時に、キュルキュルとなる音を誰もが聞いたことがあると思います。あの音の正体こそが、セルモーターなのです。
セルモーターの機能としては、エンジンを最初にスタートさせるもの。仕組みとして、「キーを回す→セルモーターが動く→エンジンがかかる。」という構造です。セルモーターが動かなければ当然エンジンはかかりません。
車のエンジンの吸気や圧縮行程を行うためには外部からの回転力を得る必要があります。その行程を行うための回転を与える手段がセルモーターなのです。
セルモーターの仕組みと構造について
セルモーターは、エンジンを始動させるために欠かせないモーターです。セルモーターはバッテリーの電力を使用して、クランクシャフトを電動で回転させることによって、エンジンで最初の爆発を起こします。
キーを回したり、エンジンスタートボタンを押すことで、マグネットスイッチに電流が流れ、ピニオンギアが動いて大きいフライホイールと噛み合います。
「モーターが回る→噛み合ったフライホイールも回る→クランクシャフトが回転する→エンジンがかかる」という仕組みになっています。
尚、セルモーターの構造で大きい円柱の部分にはモーターが入っています。そして、セルモーターには「ピニオン摺動式」と「レブリダクション式」の2種類(実質は3種類)が存在しているのです。
ピニオン摺動式(直結式)
この方式は、セルモーターの構造や仕組みで解説した通りの内容と同じです。
直結式とも呼ばれ、ピニオンギアとフライホイールが直接繋がっている方式です。主にトルクの小さい自動車やバイクなどに使用されている方式になります。
モーターの回転をそのまま動力として伝え、フライホイールを動かしています。街乗りでアクセルを踏んでもあまり加速しないと感じる車には、このピニオン摺動式を採用していることがあります。
レブリダクション式
この方式はピニオン摺動式に比べて少し複雑です。
モーターの回転を直接ピニオンギアに伝えるのではなく、アイドルギア、プラネタリギア等を介してトルクを増大させてから、フライホイールに動力を伝えています。モーターを小型化することができ、軽量化することもできますが、製造コストが高く、構造は複雑になっています。
アイドルギアを用いている方式は「リダクション式」、プラネタリギアを用いている方式は「プラネタリ式」と呼ばれる場合があります。
レプリダクション式は、トラックやなどの高いトルクを必要とする車やAT車、ディーゼル車に用いられる方式です。
最近では、クリーンディーゼル車やAT車が一般的になっていますので、多くの場合はレブリダクション式が採用されています。
セルモーターが故障?空回りや異音について
セルモーターは、あくまでエンジン起動に使う補助的な部品です。(一度エンジンが起動すればセルモーターの役目は終わり)
使用頻度が少ないため、セルモーターが頻繁に故障することは考えにくいのです。
とはいうものの、もしセルモーターを回すたびに空回りをする、異音がするという場合は、まずバッテリー上がりを疑いましょう。

その次に疑うのは、ピニオンギアとリングギアの噛み合い不良です。(「ギギギ」や「ガリガリ」といった異音が生じることがあります。)
セルモーター自体の故障はあまり起きにくいので、故障を疑うのは最後になります。
キーを差し込んでエンジンをかける時は、通常「キュルキュル」というセルモーターの作動音がします。バッテリーが上がっていないのにセルモーターの作動音がしない場合は、セルモーターの故障を疑いましょう。


以下は対処法の詳細です。
- ボンネットを開けて、セルモーターが叩ける位置にあるかチェック
- 棒などで直接叩きながら、キーを回す(二人で共同作業)
- エンジンがかかっても、かからなくても、整備工場に持って行く
この方法でエンジンがかかっても、かからなくても必ず整備工場に持って行きましょう。※エンジンがかからなければ、当然JAF・ロードサービスに依頼することになります。
セルモーターの寿命と交換費用について
平均的な寿命の目安は「使用年数10〜15年」「走行距離10〜15万km」で、エンジンの始動やアイドリングストップを頻繁に繰り返していると寿命が縮まってしまいます。
なので、短距離移動を多く繰り返すような乗り方をする方は、10万kmを交換目安にした方がいいこともあります。
セルモーターの修理・交換費用の目安は3万円〜5万円ほどです。リビルト品であれば、約1〜2万円の費用で修理・交換することも可能。

まとめ
今回はセルモーターについて解説しましたがいかがでしたか?
セルモーターが空回りする、異音がするといった場合の多くは、セルモーター自体が故障していないため、まずはバッテリー上がりを疑ってください。そのあとピニオンギアとリングギアの噛み合い不良を疑いましょう。
そして、バッテリーが上がっていないのにセルモーターの作動音がしない場合に、セルモーターの故障を疑うのです。
どうしてもエンジンがかからなければ、JAF(日本自動車連盟)・ロードサービスに依頼しましょう。