車のパーツで重要な役割を果たしているのが、エアフィルターです。
車の点検の際、整備士さんから、一度でもエアフィルターの交換をすすめられた経験がある人も少なくないでしょう。
では、エアフィルターとはいったいどのような働きをするパーツなのでしょうか。
今回は、エアフィルターの役割や交換する際のメリットや交換費用などについて、詳しく解説します。
エアフィルター(エアクリーナー)とは?その役割は?
エアフィルターとは、車のエンジンが不純物を取り込まないようにするためのパーツです。
エンジンは、外部の新鮮な空気を取り込んで循環させることによって正常な働きをします。
具体的にいうと、取り込まれた空気は車の燃料であるガソリンに混ぜられてシリンダーに移行。
次に、シリンダーの圧縮運動によって点火が起きて燃焼という一連の流れを経て、エンジンは動き続けるのです。
しかし、取り込まれた空気は必ずきれいな状態とは限りません。
大気中には不純物も混ざっているため、それをそのまま取り込むと、点火するためのプラグに不純物が付いてしまい燃焼が円滑に行われないケースもあります。
また、空気を取り込む入口が塞がってしまい、エンジンが動かなくなる危険性もあるのです。
しかし、エアフィルターがエンジンの空気を取り込む場所に設置されていれば、取り込まれた空気をろ過して不純物を取り払い、クリーンな空気だけをエンジンに取り込めます。
エアフィルターの交換費用の目安は?
今回はオートバックスのエアフィルター交換にかかる費用を紹介していきます。
オートバックスのエアフィルターの交換工賃と目安作業時間は以下の通りになります。
目安工賃 | 550円~(税込み) |
目安作業時間 | 約10分~ |
ちなみに車種によって料金は変更するようなので、詳しい料金は最寄りのオートバックスに尋ねてみましょう。
ここにエアフィルターの代金がかかるので、イメージとしてはエアフィルターの代金+工賃という感じになります。
意外と作業工賃を含めた値段でも高くならなさそうですよね。
オートバックスはカー用品店なので、エアフィルターの種類も沢山あります。
自分で交換する場合の費用
自分で交換する場合は部品代しかかからないので、安く済みます。
エアフィルターはカー用品店でも購入することは可能ですが、Amazonや楽天といった各ECサイトでも売られています。
エアフィルター交換はそれほど難易度が高いものでもないので自分で交換すれば安く済みますが、手先の器用さに自信がない人は、専門家に交換の依頼をしたほうが無難といえるでしょう。
自分で交換する方法は後に説明します。
エアフィルターの交換時期の目安は?
エアフィルターを交換するタイミングは、車の使用頻度によって異なりますが、一般的には走行距離2〜3万kmに達したときが交換の目安といわれています。
人によっては使用年数を目安にしているケースもありますが、年数よりも走行距離を確認して交換のタイミングを図るのが無難です。
業者やメーカーよっても交換目安は変わるので、ディーラーなどに確認しておくことが無難です。
もし、走行距離がどれくらいの目安にしていいのかわからない場合は、車検のタイミングがおすすめです。
多くの人は車検の際に交換をしてもらうことがほとんどなので、走行距離をチェックしていなくても車検のときに交換すれば間違いありません。
車の走行が多い人や渋滞する道路をよく利用する人は定期的な点検を!
特に、渋滞道など車の走行が多い地域は、空気中の塵埃が多い可能性があるので、不純物も多くエアフィルターに付着します。
そのような場合、エアフィルターが早く消耗することが多いので、まめに修理店や専門店に行って点検を受けるといいでしょう。
エアフィルターを交換するメリットとは?
エアフィルターを交換せずに不純物で汚れたままにしていると、前述した通り点火しにくくなってエンジンが動かないなどの不具合が起こり故障の原因になります。
しかし、エアフィルターを定期的に交換していれば、不具合や故障を事前に予防できて、故障した際の修理費用の出費を回避できます。
また、エアフィルターを交換しないで十分に空気が取り込めなくなると生じるのが、エンジンに負担がかかっての燃費低下です。
しかし、エアフィルターを交換すれば大量の空気をスムーズに取り込むことが可能になるので、燃費も良くなります。
エアフィルターの交換方法・手順について
エアフィルターの交換は修理店などで専門家に交換してもらうのが無難ですが、自分でも交換が可能です。
どの車種でも交換方法はほとんど一緒なので、覚えておくと便利でしょう。
①エアフィルターの位置を確認し、箱を開ける
ボンネットをオープンすると見えるのが、エンジンへと続くパイプとつながっているボックスです。
このボックスの中にエアフィルターが収まっています。
- ボンネットをオープンして箱があることを確認
- その箱を開く
箱のふたは複数のクリップによって固定されていて、クリップの数は車種によって異なります。
クリップを外さずに無理やり箱を開けると壊れてしまうので、クリップはひとつ残らずしっかりと外して箱のふたを開けましょう。
②フィルターを交換
クリップをすべて外したら、次にやるべきことは箱を上げて装着されているエアフィルターを外す作業です。
前述した通り、エンジンと箱は太いパイプでつながっています。
そのため、箱は持ち上げても完全に取り出すことはできないので、箱をずらしてエアフィルターを隙間からうまく取り出さなくてはいけません。
箱の周りは他の機器の配線などもあるので、エアフィルターを乱暴に取り出すと周りの機器を傷つける恐れがあります。
周囲に注意しながら慎重にエアフィルターを取り出しましょう。
新品のフィルターを入れる方法
次にやることは、用意した新品のエアフィルターを隙間から箱へ入れて装着する作業です。
装着がうまくいかない場合はエアフィルターのタイプが違う・向きが違うなどが考えられます。
タイプや向きを確認して、しっかりと箱に収めるようにしましょう。
箱に収まったのを確認したら、箱を閉める→クリップをとめるという最初と逆の手順を行い、最後にボンネットをクローズしましょう。
そして、最終確認として行うのがエンジンをかけて計器の確認です。
計器をチェックしてエラー表示がなければ、正常に交換が完了したという証拠になります。
エアフィルターのお手入れ方法と時期の目安
エアフィルターはクリーニングすることで長く使うことが可能になります。
以下ではエアフィルターのお手入れ方法と頻度を紹介していきます。
エアフィルターのお手入れ方法
エアフィルターは3つの方法でクリーニングすることができます。
- 専用クリーナーを使用する方法
- エアコンプレッサーを使用した方法
- 水洗いする方法
専用クリーナーを使用する方法
エアフィルター専用のクリーナーはエアフィルターについた汚れを浮かして除去してくれます。
スプレータイプや液体タイプがありますが、作業のしやすさはスプレータイプの方がいいでしょう。
エアフィルターに付着した油汚れはクリーナーで落とす必要があるので、この方法が一番落とせるといってもいいでしょう。
エアコンプレッサーを使用する方法
エアコンプレッサーを使用することで、エアフィルターに溜まっているホコリを除去することができます。
エアコンプレッサーは風を利用してホコリを吹き飛ばします。
エアフィルターを濡らすことがないので、比較的簡単にお手入れをすることができます。
水洗いする方法
水洗いする方法は水を使用してエアフィルターの汚れを取る方法です。
エアフィルターを車外に出して、水に日かして柔らかいブラシで汚れを落とします。
充分にエアフィルターをすすいだら、風通しの良いところで乾かしましょう。
エアフィルターのお手入れの頻度
エアフィルターを手入れする頻度は車を使用している条件によって変わってきます。
エアフィルターを使用する頻度は以下の通りになります。
砂漠地帯や山岳地帯での走行が多い場合 | 1カ月に1回程度 |
塗れた環境での走行が多い場合 | 3カ月に1回程度 |
乾燥した環境での走行が多い場合 | 1年に1回程度 |
砂やホコリが多い地帯の場合や長時間、車を使用していない場合は頻繁に手入れをするよう心がけましょう。
エアフィルターの3つの種類
エアフィルターは大きく分けて3種類あります。どのような種類があるのか次より見てみましょう。
温式エアフィルター
このタイプは、別名・ウェットエレメントといわれています。
ウレタンフォームと呼ばれる素材はオイルがしみ込んでいて2層構造になっているため、吸着性に優れているのが特徴です。
そして、洗うことによって何度も使用できます。
車本体の軽量化にも貢献するエアフィルターです。
乾式エアフィルター
別名・ドライエレメントと呼ばれるこのタイプは、素材が濾紙なのが特徴です。
タイプによっては乾燥した布である不繊布を使用しているものもあります。
空気抵抗が少ないので、空気をスムーズに取り込めます。
ビスカス式エアフィルター
別名・オイルコートペーパーエレメントと呼ばれているのがこのタイプで、乾式タイプと同様に濾紙を素材として使用しています。
乾式と異なる点は濾紙にオイルが染み込んでいる点です。
長時間使用しても空気抵抗の少なさをキープできます。
エアフィルターとエアコンフィルターの違い
エアフィルターの働きを知って、エアコンに取り付けられたフィルターを想像する人もいるでしょう。
どちらも空気をろ過するという働きは一緒ですが、エアフィルターとエアコンフィルターには大きな違いがあります。
エアフィルター・・・外の空気をエンジンに取り込む前に空気をきれいにする役割
エアコンフィルター・・・取り込んだ空気を排出する前にろ過して空気をきれいにしてから外に出す役割
上記のような違いがあります。
つまり、エアフィルターは外から中へ、エアコンフィルターは中から外へと空気の通り方が違いますね。
また、エアフィルターは車のボンネット内ですが、車に取り付けられたエアコンフィルターの場所はダッシュボード内です。

まとめ
車を運転する際、エアフィルターがどのような機能を果たしているのか、認識することが大事です。
交換を怠ると車全体の機能が低下する・不具合が生じて安くない修理代がかかる可能性もあります。
エアフィルターは定期的にチェックするようにしましょう。