タイヤローテーションとはタイヤの位置を前後で入れ替えることで、タイヤの摩耗を均一にすることです。
タイヤローテーションはやった方が良いって聞いたことあるけど、本当に意味あるの?」
と思ったことはありませんか。
結論、タイヤローテーションにはちゃんとした意味があり無駄ではありません。
そこで今回は現役の整備士がタイヤローテーションのする理由を、メリットとデメリットとともに紹介していきます。
後半では
- 自分でタイヤローテションをする手順
- プロに任せる際の料金の目安
もお伝えします。
タイヤローテーションは無駄なのか?
タイヤローテーションは工賃や手間がかかり、「無駄」という意見があります。
磨耗したタイヤを2本ずつ交換していけばいいという考えもありますが、結論タイヤローテションは無駄でありません。
次のメリット・デメリットを見ながら解説していきます。
メリット | デメリット |
---|---|
タイヤを長く使える 振動や異音を防げる | 手間がかかる お金がかかる |
タイヤローテーションのメリット
タイヤローテーションには2つのメリットがあります。
- タイヤを長く使える
- 振動や異音を防げる
タイヤを長く使える
前提として、前輪タイヤはハンドル操作があるため角が減りやすく、反対に後輪タイヤは中央部分が減りやすいです。
タイヤローテーションをすることで、タイヤの摩耗しやすい場所は前後で異なりその偏りを修正できます。
例えば、タイヤローテーションをしていない車は前輪の溝が6.5mm、後輪の溝が7.0mmと前輪の方が減っていることがよくあります。
このまま使用し続けると、前輪だけが減り続けてしまい、先に前輪の2本のタイヤ交換が必要になってしまうことがあります。
定期的にタイヤローテーションをすることで、前輪と後輪の摩耗を均一し、溝のズレを調整することができます。
結果的にタイヤの溝を満遍なく使うことができ、タイヤの寿命を伸ばせます
振動や異音を防げる
もう1つのタイヤローテーションのメリットは、タイヤから伝わる振動や異音を防げることです。
タイヤは特定の箇所だけ減っていると振動を拾いやすくなってしまいます。
タイヤローテーションでタイヤの偏摩耗を調整することで、振動や異音を防げます。
その結果、スムーズな快適なドライブができます。
タイヤローテーションのデメリット
メリットが多いタイヤローテションですが、次のようなデメリットもあります。
- お金がかかる
- 手間がかかる
お金がかかる
タイヤローテーションは業者に頼むと1回2,000円〜4,000円の工賃がかかります。
お金がかかってしまうのが最大のデメリットでしょう。
ですが、もし新品のタイヤ交換をしようとすると、安くても3万円以上かかってしまいます。
タイヤローテーションでタイヤの寿命が長くなり、交換の頻度が少なくなれば長期的に見ると経済的だといえます。
手間がかかる
タイヤローテーションは手間がかかります。
後ほどご説明しますが、タイヤローテションをするためにはさまざまな工具が必要で、慣れていないと約1時間ほどかかります。
もし慣れていないのであれば、手間を減らすために業者に依頼することをおすすめです。
オイル交換やスタットレスタイヤへの交換の際についでに、タイヤローテーションを依頼しましょう。
同時作業で依頼すれば一回の持ち込みで済みます。
タイヤローテーションする目安
ここまでタイヤローテションのメリット・デメリットをご説明してきましたが、タイヤローテーションのタイミングはいつすれば良いのでしょうか?
4つのタイヤローテーションをするタイミングがあります。
- 5,000km〜10,000km走行毎
- フロントタイヤの溝が減ってきたとき
- スタッドレスタイヤへ交換するとき
- 車検や12か月点検のとき
5,000km〜10,000km走行毎
タイヤを交換してから走行距離が5,000km〜10,000kmを超えた時です。
タイヤは5,000km走行で1mm程摩耗すると言われています。
1〜2mm磨耗したらローテーションのタイミングです。
フロントタイヤが減ってきたとき
ハンドル操作をする前輪タイヤは後輪タイヤより減りが早いです。
フロントタイヤの角が丸みがかってきたら、タイヤローテーションのタイミングになります。
スタットレスタイヤに履き替えるとき
スタッドレスタイヤへ交換する時がタイヤローテーションするタイミングです。
取り外した夏タイヤを再度つける時に前輪と後輪のタイヤの順番を入えるのがおすすめです。
取り外したタイヤがどこの場所のタイヤかわからなくならないように、場所がわかるようにテープを貼ってメモを残しておきましょう。
車検、12か月点検のとき
車検や12か月点検でタイヤを脱着する作業をします。
それらのタイミングでタイヤをローテーションで取り付けてもらいましょう。
タイヤローテーションの費用がかからずに行ってもらえます。
タイヤローテーションを頼める業者
タイヤローテーションのタイミングがわかったところで、依頼できる下記の業者について見ていきましょう。
- イエローハット
- オートバックス
- ジェームス
- タイヤ館
- ディーラー
- ガソリンスタンド
それぞれの費用や特徴を見ていきましょう。
プロに任せると安心感がありますよ。
イエローハット
黄色い帽子マークの看板のイエローハットは753店舗あり、全国で一番多く店舗を展開しています。
工賃 | 3,300円〜 |
時間 | 20分〜 |
特徴 | タイヤを購入すると、タイヤローテーションを1回無料でできる |
オートバックス
オートバックスは知名度No. 1を誇るカー用品店で、全国で3,700名もの整備士が在籍しています。
整備士はレースドライバー育成プロジェクト「ARTA」にて、ピット作業の講習を受けているので高い技術力を持っています。
工賃 | 2,200円〜 |
時間 | 15分〜 |
特徴 | 1,000円で入会できるメンテナンスカード会員になるとタイヤローテーションを年に1回無料で行える |
ジェームス
ジェームスはトヨタのグループ会社が経営しているカー用品店になります。
全国に100店舗展開しています。トヨタ系列ということで東海地方に多く、100店舗中25店舗あります。
作業風景を見れるようにしている店舗も多く、トヨタグループの技術力の高さがうかがえます。
工賃 | 2,200円〜 |
時間 | 20分〜 |
特徴 | タイヤを購入すると1本パンクしたら4本新品になる保証がある。ジェームスはタイヤの保証期間が業界1位。 |
タイヤ館
ブリヂストンの孫会社であるブリヂストンリテールジャパンが展開するカー用品店です。
店舗数は500店舗あります。基本メンテナンスもできるタイヤ専門店であるのが特徴です。
工賃 | 2,200円〜 |
時間 | 20分〜 |
特徴 | メンテナンスパックに入ると年に1〜2回タイヤローテーションを無料でサービスを受けられる。 |
ガソリンスタンド
ピット作業ができるガソリンスタンドは多数あります。
ディーラーやカー用品店がハードルが高いと思うにおすすmです。
工賃 | 2,200円〜 |
時間 | 15分〜 |
特徴 | 店舗数が多く、営業時間が長い。給油や洗車のついでにタイヤローテションができる |
ディーラー
ディーラーはメーカーの車に対する知識が豊富で、質の高いサービスを受けられます。
工賃 | 3,300円〜 |
時間 | 20分〜 |
特徴 | 車両ごとの特徴に詳しいスタッフがいるので安心してメンテナンスを依頼できる |
タイヤローテーションのやり方6ステップ
DIYが得意な方、好きな方は自分でタイヤローテションをすれば工賃がかかりません。
場所と工具とがあれば誰でも挑戦できる作業です。
メンテナンスは自分でやりたいよという方へタイヤローテーションをするやり方を解説します。
タイヤローテーションでは次の4つの工具を揃える必要があります。
- 十字レンチ
- トルクレンチ
- ジャッキ
- リジットラック
タイヤローテーションで使用する工具は自分でメンテナンスをする人にとって、揃えて置いても損はありません。
タイヤローテーションの6ステップ
タイヤローテーションを行う手順になります。
ステップ1 タイヤのホイールナットを緩める
ステップ2 ジャッキアップ
ステップ3 タイヤの入れ替え
ステップ4 タイヤの取り付け
ステップ5 ホイールナットの仮締め
ステップ6 トルクレンチで規定トルクで締め付け
一度慣れたら誰でもできる簡単な作業になります。
詳しい作業は次の記事を参考にしてみてください。

タイヤローテーションの注意点
自分でタイヤローテーションを行うことは危険も伴います。
注意点を確認して、安全に作業をしましょう。
安全にタイヤローテーションをするための注意点が3つあります。
- リジットラックをかけること
- 100km走行後にホイールナットが緩んでいないか確認すること
- タイヤローテーションできないタイヤがある
リジットラックをかけること
リジットラックとは車体を持ち上げた状態を保つための工具です。
安全に作業するためにジャッキアップ時にリジットラックをかけましょう。。
ジャッキは車体を持ち上げるための工具です。ジャッキのみで上げていると、ジャッキの故障で車が落下してしまう恐れがあるのでとても危険です。
車をジャッキのみで浮かせたままにせず、リジットラックを設置することで車体が安定します。
面倒くさがらず、リジットラックを設置し、安全に作業をしましょう。
100km走行後にホイールナットが緩んでいないか確認すること
ホイールナットは増し締めしたはずが、走行後緩んでしまう可能性があります。
環境の変化などでまれに緩んでしまうことがあります。
もし緩んだまま走行すると、ホイールナットが外れ、事故につながる可能性もあります。
必ず、100km走行後、緩みがないか確認してください。
タイヤローテーションができないタイヤがある
タイヤローテーションできない場合が2つあります。
- 前輪後輪でタイヤサイズが異なる場合
- 方向指示のあるタイヤ
前輪後輪でタイヤのサイズが異なる車両の場合、タイヤローテーションはできません。
その場合、前後の入れ替えはせずに左右でローテーションしましょう。
方向指示のあるタイヤの場合、指示と反対方向でタイヤを履かせると、本来の性能が発揮できません。
指示の方向が違わないように、前後でのローテーションをしましょう。
まとめ
最後におさらいをしていきましょう。タイヤローテーション意味ないと言われてることもありますが、次の2つのメリットがあります。
- タイヤを長く使える
- 振動や異音を防ぐ
唯一のデメリットとしては、お金がかかること。
依頼する場合の工賃は2,000〜4,000円です。
ただ、タイヤの寿命を伸ばすことができるので、
長期的に経済的で、快適なドライブができおすすめできます。
タイヤは決して安い買い物ではないので、タイヤの寿命を伸ばすためにタイヤローテーションを検討してみてはいかがでしょうか?