車から異音が発生している。新車時はとても静かな車でも、使用する年数が経過すると車の各パーツが劣化し、異音の発生原因になります。
とくに足回りの異音や、室内で発生した異音は音が響きやすく、運転中でも気が散るほど大きな音が出る場合もあります。
運転中、発生している異音に気を取られすぎると、事故の原因に繋がりますし、何より危険です。
もしいつもと違う音が発生しているのであれば、早めに整備工場へ持って行き診断してもらいましょう。
異音が発生した際、車の知識が無ければ異音診断はかなり難しいことでしょう。
しかし、どこから異音が発生しているのか、目途を立てることくらいはできるはずです。
今回は、車からの異音の原因や対処方法、修理費用などを解説していきます。
キーンと異音がする時の原因と対処法
車から甲高いキーン音が発生しているのであれば、どこかのモーターから発生しているのではないかと考えられます。
特に最近主流になりつつあるハイブリッド車などは、様々な箇所にモーターが取り付けてある為、このような異音が発生しやすいといえるでしょう。
エンジン車のエンジンにあたる大きなモーターや、タイヤを動かすための駆動用のモーター、ラジエーターを冷やすためのモーターなど、探せばいくらでもあります。
まずはどの部分から異音が発生しているのかをしっかりと把握し、修理に出す際は詳しい状況を伝えましょう。
ハイブリッド車においてモーターは、人間でいう心臓部分にあたります。
異音がしているモーターにもよりますが、駆動系や動力の要であるモーターが壊れると、車が動きません。
簡単に壊れるパーツではないですが、異音が発生しているのであれば早めに修理を行うことが大切です。


緊急で車を動かしたいかたは
キュルキュルと異音がする時の原因と対処法
車の異音トラブルで最も多いのがベルトのキュルキュル音です。
これはファンベルトや、ドライブベルト、パワステベルトと呼ばれるベルトから発生している可能性が高くなります。
発生している原因としては、ベルトが劣化した際、ベルトに切ってある溝がだんだん深くなります。
溝が深くなればなるほど、プーリーとの密着が弱くなるのです。
車のベルトはとても高速で回っています。
プーリーとベルトがうまくかみ合わなけば、ベルトが空回りし、キュルキュルといった音を発生させてしまうのです。
また、このキュルキュル音はベルトが水に濡れた時にも発生します。
雨の日にタイヤがスリップしやすいのと同様に、ベルトも水にぬれると空回りし、劣化した時と同様の音を発生させます。
しかしこの場合は、異常ではありません。ベルトが乾くと自然と音が止まるので安心してください。


ブーンと異音がする時の原因と対処法
ブーンという音は何かが回っているときに発生していると考えられます。
しかし、エンジン内で発生した低い音は、室内まで聞こえるとは考えづらいので、もし大きくブーンという音が聞こえた場合、エアコンフィルターの近くに設置されている「ブロアモーター」を疑いましょう。
ブロアモーターとは室内に空気を送り込んでいる装置であり、このモーターを操作することでエアコンなどの風量を調節しています。
ブロアモーターには風を送る羽が取り付けられており、その羽にゴミなどが付着し、異音が発生している可能性も。
小さい扇風機が車内に取り付けられていると考えれば、分かりやすいでしょうか。
扇風機の吸い込み口にティッシュなどがあると、変な音が出ますよね。
それと同じ現象がブロアモーターで起こっている場合もあるのです。


カラカラと異音がする時の原因と対処法
カラカラ音がする場合、プラスチック製品がどこかにあたっていると考えられます。
例えばエンジン内に送る空気のゴミを取り除く役割を持つ、エアーフィルターの容器はプラスチックでできていますが、固定している箇所が劣化し割れたりすると、走行時にボディと接触し、異音の原因になります。
また、アンダーカバーや、タイヤハウスなど車にはプラスチックでできたカバーが多く、そのカバーを固定しているクリップもプラスチック製品です。
長年の劣化でクリップが破損し、脱落することでカバーがしっかりと固定されず、走行時の揺れなどでボディやその他のパーツと接触していると考えることもできます。
キーと異音がする時の原因と対処法
歯がゆい音であるキーキー音は、ブレーキパッドが少なくなった場合に良く起こるトラブルです。
ブレーキにはドラムとディスクの2種類があり、このキーキー音は主にディスクブレーキから発生します。
ブレーキパッドが少なくなったという目安の音でもあり、異常が発生しているわけではありません。
ブレーキパッドのインジケーターと呼ばれる、鉄の板がディスクにあたり甲高いキーキー音を発生させているのです。

ギシギシと異音がする時の原因と対処法
ギシギシ音は主に車のショック部分から発生します。
鉄同士が擦れ合うことにより発生し、潤滑剤を吹きかけることですぐに直る場合もありますが、発生している箇所によってはショック自体を交換しなければならない場合も。
また、ショックからは「ギシギシ」以外にも「ギュッギュッ」という音がすることもあります。
この音はショックに取り付けてあるゴム製のダストブーツが放つ音であり、こちらもグリスアップすることで音を消すことができます。


異音がする時の点検・修理費用はいくらかかる?
はっきり言います。点検や修理費用に相場はありません。
どこで異音が発生しているのか、どのような修理を行うのかによって値段はピンキリであり、一概に相場を伝えたとしても実際に車を持って行き、請求される金額には大幅な開きがあります。
また、ここでお伝えした異音の原因は、一般的に良く起こるトラブルを選出しているにすぎず、これと同じ音が発生しているからといって、必ずしも上記で説明した原因だとは限りません。
異音の点検は整備士でも難しいトラブルのひとつです。
当然、人により聞こえ方には差がありますし、常に異音が発生している場合ばかりではないのです。
点検者が乗った際、異音が確認できなければどこを修理すればいいのかという目途が立たず、原因を突き止めるまでにはたくさんの時間を要することにもなります。

まとめ
愛車で異音が発生し、修理をお願いする場合、
- どんな音なのか?
- いつ起こるのか?
- 車のどの部分で発生しているのか?
を明確に伝えることがとても大切です。
愛車の音は所有者であるあなたが一番詳しいはずです。もし異音が発生した場合、状況をしっかりと把握しも伝えるようにしましょう。