「タイヤ交換は初心者には無理だから業者に頼むのが無難」と考えている人は少なくないでしょう。
しかし、タイヤ交換は準備、必要な工具とその手順さえしっかりと頭に入れておけば、決して不可能な作業ではないのです。
今回は、タイヤ交換をする前の確認事項、必要な工具と交換方法、交換における注意点などについて、詳しく解説しましょう。

タイヤ交換は自分でもできる?
結論から言うと、タイヤ交換を自分で行うことは可能です。
ただし、タイヤ交換には2種類あり、そのうちのひとつに関しては、業者のスキルを持っていない一般人でも、タイヤ交換の知識さえ持っていれば自分で交換ができます。
タイヤ交換の種類は、以下の2タイプです。
- タイヤ組み換え
ホイールを残したままタイヤを外して、新しいタイヤを付け換える方法 - タイヤ脱着
タイヤをホイールごと外して、ホイールの付いた新しいタイヤを付け換える方法
上記の2種類のうち、一般人でもできるのはタイヤ脱着です。
もう一方の方法であるタイヤ組み換えは、ホイールを外す・取り付けるという作業があり、これは専門のスキルが必要とされます。
また、タイヤ組み換えの場合は、タイヤのバランス調整も行わなくてはいけません。バランスが不安定だと走行時の揺れが目立ち、タイヤの消耗も早まります。
タイヤ交換をする前に確認すること
タイヤ交換を始める前にチェックするべきことがあります。
チェックを怠ると作業が思うようにいかなくなり、交換を中断・断念する事態が起きるので、事前の確認が必要です。では、タイヤ交換前に確認すること3つを紹介しましょう。
交換するタイヤの状態
取り付けるタイヤのコンディションが良好であるか、事前に確認しましょう。確認するポイントは以下になります。
- 溝が消えてツルツルになっていないか
- ヒビ割れが起きていないか
- 空気が減っていないか
空気圧が十分でない場合は、専門店に行って補充してもらいましょう。
ホイールに合うナットの数
ホイールにナットが不十分の場合、事前に揃えておきましょう。ホイールのタイプによってナットの形状も異なるので、自身の車のホイールのタイプを把握しておくことも大事です。
また、盗難防止のためのロックナットを使用している場合、ロック解除用のキーも用意しておきましょう。
タイヤ交換前の装着場所
タイヤの種類は大きく分けて、「夏タイヤ」「冬タイヤ(スタッドレスタイヤ)」の2種類があり、季節の変わり目に夏から冬へ、冬から夏へとタイヤ交換をします。
タイヤは4本のうち減りが少ないものもあるので、処分するのではなく次の季節まで保管して再利用するケースも少なくありません。
そのため、次のシーズンまで使うもの・処分するものがわかるように、目印に貼るためのシールを用意しておきましょう。
また、4本のうち減りが多いタイヤと少ないタイヤを入れ替えることによって、摩耗を均等にさせる方法(ローテーション)があります。これを行うために、どのタイヤが最初にどの位置だったか、タイヤ交換前に確認しておきましょう。
タイヤ交換に必要な道具
タイヤ交換の際に必要な道具を以下より説明しましょう。
ジャッキ
車体を持ち上げるのに使用します。
ジャッキごとに最大荷重値が異なるので、自分の車の重量に合ったジャッキを用意しましょう。
レンチ
タイヤを車体に固定しているナットを取り外すための道具が、レンチです。
車にはL字型レンチが付属されていることが多いですが、より簡単にナットが外せる電動式や十時型レンチも市販されているので、そちらを用意してもいいでしょう。
輪止め
タイヤ交換の作業中、確実に車体を固定してくれる道具が、輪止めです。
ジャッキで持ち上がっていないタイヤを固定することによって、作業中の車の作動を防止してくれます。
トルクレンチ
上記3つの道具に加えて、なくても問題はないですがあると便利なのが、トルクレンチです。
ナットが適切に締まっているかどうかを測定できます。あまり強く締めてしまうとナットの損傷につながるので、トルクレンチを使って適切な締め具合を確認しましょう。

DIYでタイヤ交換をする方法
それでは、自身でのタイヤ交換は具体的にどういった手順で行うのか、その方法を順番に説明しましょう。

①車を安定する場所に停める
まずやるべきことは、車を停める安全な場所の確保です。他の車や通行人の多い場所だと危険なので、なるべく人気のない場所を探して車を停める必要があります。
三角表示板を置くのも忘れないでおきましょう。
②車体が動かないように輪止めする
タイヤ交換中に車が動くと危険なので、ジャッキで持ち上げたタイヤの対角線上にあるタイヤに輪止めをかけておきましょう。
また、パーキングブレーキがかかっているかどうか、確認することも重要です。
③ホイールナットを少しだけ緩める
次にやることはホイールナットを少し緩める作業です。
車によってはホイールキャップが付いているタイプもあるので、タイヤとキャンプの間に棒状のものを差し込んで、取り外しましょう。
次にホイールナットをレンチで少し緩めます。あくまで少し緩めるだけで、ナットの取り外しはしません。
④ジャッキでボディを上げる
次にジャッキで車体を持ち上げます。ジャッキは「ジャッキアップポイント」と呼ばれる箇所にジャッキを当てなくてはいけません。
ジャッキアップポイントは、他の部位に比べて頑丈にできています。ポイント以外の箇所にジャッキを当てて持ち上げると、その箇所に車体の重量すべてが集中してしまい、破損する可能性もあるのです。
破損を防止するためにも、あらかじめジャッキアップポイントの場所を確認しておきましょう。
⑤ナットを緩めてタイヤを取り外す
ジャッキで車体が持ち上がったら、ナットを外してタイヤを取り外します。
外したナットはなくさないように、まとめておくことが大事です。
外したタイヤは、万が一のことを考えて、車体の下に置きましょう。ジャッキが外れても、これなら安心です。
⑥新しいタイヤをつけてナットを締める
次に新しいタイヤを装着します。しっかりとタイヤが位置にはまったかを確認して、ナットを取り付けます。
ナットはいきなり締めるのではなく、仮締めをします。
⑦ジャッキを下ろしてナットの締める
次にやることはジャッキを下げて車体を下す作業です。下ろし終わったら仮締めしていたナットをしっかりと締めます。
ナットは、一つ締めたら、次は締め終わったナットの対角線上にあるナットを締める、という順番で締めていきましょう。
ナットやタイヤがガタガタしない程度に、しっかりとナットを閉めることが大事です。ただし、強く締め過ぎると破損してしまうので注意しましょう。
⑧交換ができたら走行確認をする
タイヤ交換が完了したら、実際に走行をして不具合がないか確認しましょう。
妙な異音や振動がなければ正常にタイヤ交換ができた証拠です。
自分でタイヤ交換をする際の注意点
自身で行うタイヤ交換はデメリットもあるので、タイヤ交換を検討している人は覚えておくといいでしょう。
自分で行うタイヤ交換における注意点とは次の2点です。
初期費用がかかる
タイヤ交換を行うには、上記で紹介した専用の工具がいくつか必要です。
最初から道具一式を持っていれば問題ないですが、手元にない場合は買い揃えなくてはいけないので、初期費用がかかります。
そして、実際にタイヤ交換をやって自分でやるのは面倒と感じて、それ以降は業者を利用する場合、せっかく買った道具一式は無駄になってしまいます。
慣れていないと時間がかかる
ジャッキで車体を上げるなどの作業は普段やらないことなので、タイヤ交換は慣れないと時間がかかります。
また扱うタイヤ自体がかなりの重量なので、体力に自信のない方、女性の方などは、激しく体力を消耗するでしょう。
そのような苦労をしてタイヤ交換をした結果、業者に頼んだ方が楽という結論になる人も珍しくありません。

タイヤ交換後にチェックすること
タイヤ交換は作業を完了して満足してはいけません。
交換後もチェック項目があるので、しっかりとチェックをしておきましょう。その確認事項を次より紹介します。
空気圧の確認をする
タイヤの空気圧の確認は交換前にも行いますが、念の為交換後もチェックしましょう。
また、タイヤ交換後は、空気圧ランプが点灯するケースがあるので、業者に行って見てもらいましょう。
処分するか売るか確認する
取り換えたタイヤはコンディションを確認して、処分するか買取に出すかを決めましょう。
目立ったヒビ割れや摩耗がなければ、中古品として買取をしてもらえます。
コンディションが悪い場合は、業者などに頼んで処分してもらいましょう。
走行に問題ないか確認する
タイヤ交換後は、実際に車を走らせてタイヤに異常がないかを確かめましょう。
運転時に違和感があった場合は、タイヤの状態や取り付けの仕方がおかしい証拠です。
まとめ
タイヤ交換は簡単にできる作業ではないですが、一般人でも決して不可能ではありません。
自身でタイヤ交換をマスターすれば、業者に依頼する費用もかからないので節約にもなります。
ただし、人によってはタイヤ交換が大変、面倒に感じる人もいるので、自身でタイヤ交換をやるべきかどうか、やるためには必要な道具・手順は何なのか、しっかりと覚えておきましょう。
