久しぶりに車のエアコンをつけると、モワッとした嫌な臭いがすることはありませんか?人を乗せることがあると余計に気になりますが、実は、中古車として車を査定されるときも、「臭い」が検査項目に入っているほど嫌悪感を与える物なんです。
では、エアコンの消臭をするにはどんな方法があるのでしょうか?詳しく解説しておりますので、是非参考にしてくださいね。

まずは「消臭」と「脱臭」の違いを知ろう
車の臭いを解消するには、大きく分けて「脱臭」と「消臭」の2つの方法があります。
ひとことでいうと、脱臭は臭いの元を物理的に取り除き、消臭は化学的に変化させることで臭いを減らすというもの。
ただし、消臭には感覚的な「別の臭いでごまかす」方法(芳香剤など)も含まれるので、根本的な解決にはならないこともあります。
車のエアコンが臭う原因とは?
車の中の臭いはエアコンだけではなく、タバコやシート、床に落ちた食べこぼし、ジュースのシミ、体臭なども原因となります。
しかし、どんなに車内を掃除したり、消臭剤や脱臭剤を使っても消えない場合は、エアコンの内部が臭いの原因になります。
エアコンからの匂いの原因はいくつかあります。
- エアコンフィルターが汚れている
エアコンから吹き出る風は、フィルターによって綺麗にされます。
しかし、同じフィルターを長期間使っているとフィルターに付着した、汚れ・雑菌・カビが、エアコンを付けた途端に車内に吹き出し、臭いとなるのです。さらに、汚れた風は車内に充満し、アレルギー反応を起こす原因ともなります。また、エアコンフィルターは長期間使っていると目詰まりを起し、エアコンの効きも悪くなるので、定期的に交換するようにしましょう。 - エアコン内部に雑菌が繁殖している
車の内部、エバポレーターにカビが発生したり、汚れが付着して臭いが発生している場合もあります。エバポレーターとは、エアコン内部の熱交換器のことで、空気を冷やす際に水分を常に含んだ状態となり、カビや雑菌が繁殖しやすい環境になります。
エバポレーターに発生したカビや雑菌は、エアコンフィルターでは防ぐことが出来ず、嫌な臭いとなって車内に直接吹き込まれるのです。しかし、フィルターと違ってエバポレーターはエアコンユニット内部に取り付けられているので、簡単には脱着・交換できません。フィルターほど短時間で臭いの元になるわけではありませんが、新車で購入しても2年ほどでカビが発生するといわれています。
日頃から雑菌をため込まない工夫が必要でしょう。 - 抗菌・防カビ剤が切れている
最新の車などは、車の要所に抗菌や抗カビ剤が使われることが多くなっています。
エアコンが新品のうちに、エバポレーター自体に抗菌材を施す場合もあるでしょう。しかし、効果は約1年間である事がほとんどで、再施工するのを忘れていると、結局はカビや雑菌が繁殖してしまいます。
このように、エアコン本体からの悪臭は、内部もキッチリと掃除する必要があります。
とはいえ、日ごろからフィルターをこまめに変えたり、エアコン消臭に効くグッズなどを使ってメンテナンスをすることで、雑菌やカビの繁殖を限りなくおさえ、快適な車内空間を長時間キープすることが出来ます。
車のエアコン消臭に効くおすすめグッズ6選
車のエアコン消臭に効くお勧めのグッズは色々と販売されています。
様々な効果や種類がありますので、それぞれどういった特徴があるのかご紹介しましょう。
おすすめの消臭剤15選へリンク
①エバポレータークリーナー|においの原因に直接アプローチ
エアコンを作動させると発生する臭いは、エアコンから発する物と、外気から入ってくるものがあります。
外気からの異臭やホコリなどはエアコンフィルターで除去できますが、エバポレーターからの臭いは除去することが出来ません。
そこで、専用のクリーナーをつかって消臭し、エアコン内部を超微粒子ミストなどで除菌コーティングすることによって、臭いの原因に直察アプローチすることが出来ます。
中にはグローブボックスを取り外さなければいけない場合があるので、オイル交換の際に依頼するとよいでしょう。
また、グローブボックスの取り外しが不要なムースやスプレータイプもあります。
価格は2,500円~4,000円ほどで、カー用品店などで手に入れることが出来ます。
②エアコン消臭スプレー|手軽さ、即効性がピカイチ
エアコンの吹き出し口付近が匂う場合は、エアコン消臭スプレーが便利です。
制汗剤にも使用される「銀イオン」を使ったタイプや、「安定化二酸化塩素」で悪臭分子を積極的に酸化分解し除去するものなど、色々な種類があります。
気になった時に手軽にスプレーできるので、急に人を乗せるときなど、その即効性が頼りになります。
しかし頑固なカビや雑菌を落とすことは難しく、完全に臭いが取れない場合もあり、効果が実感できないことも。
価格も1,000円以内で、カー用品店などで購入できます。
③スチーム型|車内全体の消臭にもなる
スチーム型は、車内に「安定二酸化塩素」という成分を蔓延させて、消臭と除菌を行います。
1回30分ほど、エアコンをかけたままにするだけで、スチームに含まれる消臭成分が、シートや内装、エアコンフィルター、エアコンの内部まで消臭し、車内全体の菌や雑菌も強力に除去します。
ただし、エアコンの奥にこびり付いた頑固なカビには効きにくいので、臭いがひどくなる前に定期的に使うほうがいいでしょう。
価格は500円〜1,000円程度、カー用品店などで購入できます。
④オゾン発生器|こびりついた複合臭に効く
オゾン発生器は、オゾンの持つ強い酸化力で雑菌やウイルス、臭いを効果的に分解して消毒し脱臭します。
車内に充満したオゾンは、車内に浮かんでいるウイルスを抑制し、タバコやペットなどのこびり付いた臭いにもよく効き、最終的には水や酸素に変化させるので身体にも優しい方法です。
電気で作動しますが、電池式やUSBからの充電タイプもあり、車内のカップホルダーなどに収まるコンパクトタイプが便利でしょう。
2,000円~数万円と性能や仕様によって価格に幅がありますが、フィルターの交換もいらず、使い捨てタイプでもないのでかえって経済的と言えるでしょう。
⑤イオン発生型空気清浄機|継続使用がオススメ
プラズマクラスターやナノイーなど、家庭用の空気清浄機に使われているイオン発生型空気清浄機にも、カップホルダーに入るようなコンパクトな車用があります。
ナノイーを使ったタイプでは、OHラジカルを含んだ成分が菌の水素を抜き取り、水に変化させることで、脱臭だけではなく、浮遊しているカビ菌やウイルスを除去することが出来ます。
その他、高濃度のマイナスイオン発生装置や活性炭などを使ったタイプもあり、新車やエアコン内部のカビを取り除いたあとに継続使用すれば、エアコンのカビや雑菌の予防に効果的です。
価格も2,000円~1万円台と幅が広く、用途や仕様によって選ぶとよいでしょう。
⑥防カビスプレー|車でも家でも使える
スプレーするだけで簡単に汚れやカビ、雑菌の増殖を抑えることが出来ます。
エアコン本体に吹きかけても大丈夫なタイプや、環境に配慮したタイプもあるので、カーライフに合わせた選択をすると良いでしょう。
出来てしまったカビを落とすことは出来ないので、まずはカビ取りや洗浄をした後に使うのが効果的です。
家庭でも使えるタイプもあり、持っているとどちらにも使えて何かと便利でしょう。
価格は500円~3,000円程度で、カー商品店だけではなくホームセンターでも手に入れることが出来ます。
臭いがひどい場合はプロに依頼しよう
上記のようなグッズを使ってもエアコンの臭いが改善しない場合は、エアコン本体のエバポレーターに雑菌やカビがこびりついている可能性が高くなります。
そういう場合は、思い切ってプロに依頼することをお勧めします。
料金の相場は、フィルター交換であれば、フィルターの種類や車種にもよりますが5,000円程度です。
エバポレーターであれば、セルフクリーニングと同様の方法で5,000円〜6,000程度、20分ほどの作業です。
高圧洗浄などで洗浄する場合は、8,000円〜9,000円で、50分程度の作業になります。
車内のエアコンを分解して、細かくキレイにクリーニングしてくれる業者もあるので、作業内容をよく確認することが大切です。

まとめ
いかがでしたでしょうか。
車内の臭いは、タバコや体臭など色々な要因があり、エアコンだけが原因とは限りません。
上記のようなグッズを使い、定期的なメンテナンスを行うことで、臭いの抑制を行うことが出来ます。
しかし、どんなにセルフクリーニングを行っても、エアコンの臭いが無くならない場合は、やはりプロにお任せする方が安心です。
そういった「おおごと」にならないためにも、カビや雑菌が生じる前に対策をするなど、日ごろからメンテナンスを行いましょう。