トラックのアドブルーがなくなりそうで困っている
ディーゼル車にかかる費用を少しでも節約したい
上記のような理由で、アドブルーの代わりに水を入れたり、薄めたりしても大丈夫だろうと思ってはいませんか?
結論からいうと、アドブルーの代わりに水を入れるのは危険なのでやめておいた方が良いです。
アドブルーの代わりに水を入れてしまうと、エンジンの故障などさまざまなリスクがあり、結果的に大きな出費につながります。
この記事では、
- アドブルーの代わりに水を入れた時に起こるリスク
- アドブルーがなくなりそうな際の対処法
について紹介していきます。
アドブルーの代わりに水を入れた時に起こる4つのリスク
冒頭でも触れましたが、アドブルーの代わりに水を入れるとたくさんのリスクがあります。
大きく次の4つが考えられます。
噴射ポンプに不純物が詰まる
水道水には、目に見えない不純物が含まれています。
水道水でアドブルーを薄めてしまうと、エンジンの噴射ポンプに不純物が詰まってしまい、故障のリスクが高くなります。
エンジンが故障すると、数十万円以上の修理・交換費用がかかることがあります。
尿素SCRシステム内の触媒が腐食する
アドブルーを水道水で薄めてしまった場合、尿素SCRシステム内の故障につながります。
なぜなら、本来アドブルーに含まれる尿素と、排ガスに含まれる窒素酸化物が化学反応して、無害な窒素と水に分けられるはずが、水の割合が多くなってしまい、硝酸が生成されてしまうからです。
その結果、尿素SCRシステム内の触媒などが酸によって腐食してしまい、最終的に高額な修理費が必要になってしまいます。
排気ガスの浄化効果が下がる
アドブルーはエンジンからの熱で加水分解され、排気ガスに噴射されることによって、アンモニアガスになります。
このアンモニアが、排気ガスに含まれる窒素酸化物と化学変化を起こして排気ガスを浄化するのです。
しかし、代わりに水を入れたり薄めたりすると、当然アンモニアが含まれていないので、ただの水蒸気を吹きかけているだけでアドブルーの浄化効果が下がってしまいます。
車にも環境にも良くないため、やめておきましょう。
凍結してエンジンがかからなくなる
アドブルーは純水が67.5%、尿素が32.5%の混合比率の尿素水です。
そのため、凍結温度がマイナス11度と、0度で凍る水道水に比べて凍りにくくなっています。
アドブルーを水で薄めてしまうと、マイナス1度やマイナス2度でアドブルーが凍ってしまいエンジンが始動できなくなる可能性があります。
極寒地域だけでなく、冬場の早朝では0度以下に冷え込むことは珍しくありません。
凍結してエンジンがかからなくなることを防ぐためにも、アドブルーに水を入れることはやめましょう。
アドブルーを水で薄めるのもNG
アドブルーの代わりに水を入れるのはダメということはわかったけど、水で薄めるだけならいいのでは?と思う方がいるかもしれません。
結論から、薄めるのもNGです。
理由は前述した通り、次のリスクがあるからです。
現在のトラックの多くには、いろいろなセンサーがついており、アドブルーを水で薄めることによってエラー表示がでたり、エンジンがかからなくなったりすることにも頭に入れておきましょう。
アドブルーがなくなりそうな対処法
車種や走行状況にもよりますが、アドブルーは、1,000km/1L 走行できると言われているので、数ヶ月に一度の補充になります。
そのため、いつ補充したかついつい忘れて、気が付いた時にはアドブルーがなくなりそうな時もあるかと思います。
そんな時にどうすればいいのか? そういう場合の対処法を紹介します。
エンジンを切らない
もし、仕事中などの出先でアドブルーがなくなってしまった時の対処法として、一番簡単なのが、エンジンを切らないということです。
走行中にタンク内のアドブルーがなくなってしまった場合でも、エンジンを切らない限りは走り続けることは可能です。
ただし、アドブルーがない状態で一度エンジンを切ってしまうと、アドブルーを補充しないとエンジンが始動しなくなります。
エンジンを切らない限り走行は可能なのですが、アドブルーが入っていないという事は、つまり排ガスが浄化されていないという状況です。そのままの状態で走り続けることは、車に悪いだけではなくて、酸化窒素物を大気に放出し環境汚染につながります。
最寄りのカー用品店やガソリンスタンドに向かう
走行中、タンク内のアドブルーがなくなってしまったら、そのままエンジンを切らずに最寄りのカー用品店やガソリンスタンドに向かいましょう。
多くのカー用品店やガソリンスタンドにもアドブルーは売られているので、もしもの場合はすぐに向かいましょう。
うっかりエンジンを切ってしまい、再始動できない場合でも、近くのガソリンスタンドやカー用品店にかけ込めば、10Lなどの容器で売られているため、焦らずに対処しましょう。
アドブルーは車内に常備しておこう
タンク内のアドブルーは減ってくると、車のセンサーが感知して、メーターなどに警告などの表示をしてくれるため、そうそう空っぽになるまで走ることはまずないかと思います。
ですが、万が一のためにも、車内にアドブルーを常備しておくことをおすすめします。
アドブルーの補充方法は簡単で、キャップを外してアドブルーを注ぐだけです。
トラックだと車体側面にある軽油タンクの後方にアドブルーのタンクが装備されており、見えやすいところにアドブルーと記載されているのでわかりやすいかと思います。
アドブルーはカー用品店や、ネットショップで気軽に購入できますが、値段やメーカー、容量など、たくさんのアドブルーがあって何を買えばいいのかわからない! という方もおられるかも知れません。
基本的に、アドブルーというのはすべて尿素32.5%、純水67.5%の水溶液なのですが、値段は安いけど海外産でどんな品質かわからないものより、国産で高品質なものを圧倒的におすすめします。
その中でも、国産で高品質かつ、低価格でおすすめできるのが、pa-manアドブルー20Lです。
ネットでお得に安く買えてすぐに届きますし、段ボール箱タイプで常備しやすく、ノズル付きなので補充しやすいです
アドブルーをいつでも補充できるというのはやはり安心感があります。
まとめ
アドブルーの代わりに水をいれると凍結してエンジンがかからなくなったり、故障やトラブルの原因になったりしまいます。
節約のためや、アドブルーがなくなってしまった場合の応急処置には全くなりません。
結局のところ、エンジンや尿素SCRシステム内が故障して余計に大きな出費になる可能性が高いのでやめておきましょう。
もし、走行中や出先でアドブルーがなくなってしまった場合は、エンジンを切らずにガソリンスタンドやカー用品店などにかけ込んで補充してもらって下さい。
もしもの時に慌てないためにも、車内にアドブルーを常備しておくのがおすすめです。