久しぶりに車のエアコンをつけると、モワッとした嫌な臭いがすることはありませんか?人を乗せることがあると余計に気になりますが、実は、中古車として車を査定されるときも、「臭い」が検査項目に入っているほど嫌悪感を与える物なんです。
では、エアコンの消臭をするにはどんな方法があるのでしょうか?詳しく解説しておりますので、是非参考にしてくださいね。

まずは「消臭」と「脱臭」の違いを知ろう
車の臭いを解消するには、大きく分けて「脱臭」と「消臭」の2つの方法があります。
ひとことでいうと、脱臭は臭いの元を物理的に取り除き、消臭は化学的に変化させることで臭いを減らすというもの。
ただし、消臭には感覚的な「別の臭いでごまかす」方法(芳香剤など)も含まれるので、根本的な解決にはならないこともあります。
車のエアコンが臭う原因とは?
車の中の臭いはエアコンだけではなく、タバコやシート、床に落ちた食べこぼし、ジュースのシミ、体臭なども原因となります。
しかし、どんなに車内を掃除したり、消臭剤や脱臭剤を使っても消えない場合は、エアコンの内部が臭いの原因になります。
エアコンからの匂いの3つあります。
- エアコンフィルターが汚れている
- エアコン内部に雑菌が繁殖している
- 抗菌・防カビ剤が切れている
エアコンフィルターが汚れている
エアコンから吹き出る風は、フィルターによって綺麗にされます。
しかし、同じフィルターを長期間使っているとフィルターに付着した、汚れ・雑菌・カビが、エアコンを付けた途端に車内に吹き出し、臭いとなるのです。
さらに、汚れた風は車内に充満し、アレルギー反応を起こす原因ともなります。
また、エアコンフィルターは長期間使っていると目詰まりを起し、エアコンの効きも悪くなるので、定期的に交換するようにしましょう。
エアコン内部に雑菌が繁殖している
車の内部、エバポレーターにカビが発生したり、汚れが付着して臭いが発生している場合もあります。
エバポレーターとは、エアコン内部の熱交換器のことで、空気を冷やす際に水分を常に含んだ状態となり、カビや雑菌が繁殖しやすい環境になります。
エバポレーターに発生したカビや雑菌は、エアコンフィルターでは防ぐことが出来ず、嫌な臭いとなって車内に直接吹き込まれるのです。
しかし、フィルターと違ってエバポレーターはエアコンユニット内部に取り付けられているので、簡単には脱着・交換できません。
フィルターほど短時間で臭いの元になるわけではありませんが、新車で購入しても2年ほどでカビが発生するといわれています。
日頃から雑菌をため込まない工夫が必要でしょう。
抗菌・防カビ剤が切れている
最新の車などは、車の要所に抗菌や抗カビ剤が使われることが多くなっています。
エアコンが新品のうちに、エバポレーター自体に抗菌材を施す場合もあるでしょう。
しかし、効果は約1年間である事がほとんどで、再施工するのを忘れていると、結局はカビや雑菌が繁殖してしまいます。
このように、エアコン本体からの悪臭は、内部もキッチリと掃除する必要があります。
とはいえ、日ごろからフィルターをこまめに変えたり、エアコン消臭に効くグッズなどを使ってメンテナンスをすることで、雑菌やカビの繁殖を限りなくおさえ、快適な車内空間を長時間キープすることが出来ます。
エアコンが臭い時の対処方
エアコンが臭い時の対処法として
- 自分でできる場合
- 業者に頼む場合
の2種類あります。
これから2つの種類についてどのようなことができるのか紹介していきます。
自分でできるエアコンが臭い時の対処法
ここからは自分でできるエアコンが臭い時の対処法を紹介していきます。
①暖房でエアコン内部を乾かす
エアコン内部にカビや雑菌がわいてしまい、それがニオイのもとになると説明しました。
カビや雑菌は冷房によって水滴が出てきてしまい、雑菌やカビが増えてしまうという状態になります。
暖房を5〜10分ほどつけておくことで、内部を乾燥させて雑菌やカビを繁殖させにくくします。
【消臭方法】
- 車の窓を全開にする
- 暖房の温度を最大、風量も最大にして5~10分放置しておく
②エアコン用脱臭スプレーをする
車のエアコン用の脱臭スプレーでエアコンのニオイを消すことができます。
本体についているノズルをエアコンの吹き出し口に差し込んで消臭を行います。
【消臭方法】
- エアコンを内部循環にする
- エアコンのスイッチを切って、窓を全開にする
- 消臭スプレーをふって、スプレーのノズルを付けて噴射する
- エアコンをつけて5分ほど換気する
③エアコンフィルターの交換・清掃を行う
そもそもエアコンフィルターの交換目安は1年になります。
1年以上エアコンフィルターを交換していない場合は、交換や掃除をすることで嫌なニオイを解消できる可能性があります。
【消臭手順】
- グローブボックスを取り外す
- 裏側にあるエアコンからフィルターを取り出す
- フィルターを水ですすぐか、中性洗剤を溶かした水に付ける
- よくフィルターをすすぎ、フィルターを完全に乾かす
- 逆の手順で取り付けて完了

④エバポレーターを洗浄する
エバポレーターはエアコン配管内にあるのでカビが発生しやすい箇所になります。
エバポレーターを洗浄することでカビを除去し、カビによる嫌なニオイの発生を抑えることができます。
【洗浄方法】
- グローブボックスを取り出し、エアコンフィルターを外す
- ファンの奥にむじぇて洗浄液のノズルを差し込む
- エアコンをオンにして洗浄液をすべて噴射させる
- 5分放置する
- 外した手順と逆の手順で取り付けて完成
プロに依頼してエアコンの消臭をしてもらう場合
エアコン洗浄をプロに依頼した場合は
- カー用品店
- ディーラー
- ガソリンスタンド
で洗浄や消臭を行うことができます。
それぞれの工賃は以下の表のようになります。
費用 | 作業時間 | |
カー用品店 | 3,850円~ | 15分~ |
ディーラー | 4,180円~ | 10分~ |
ガソリンスタンド | 3,300円~ | 15分~ |
ディーラーはエアコンフィルターの交換になった時に純正品しか取り扱っていないので高くなる傾向にあります。
作業時間も工賃も大きく変わるわけではないので、近い場所だったり信用できるような店舗に行くのもいいですね。

車のエアコン消臭に効くおすすめグッズ6選
車のエアコン消臭に効くお勧めのグッズは色々と販売されています。
様々な効果や種類がありますので、それぞれどういった特徴があるのかご紹介しましょう。
おすすめの消臭剤15選へリンク
①エバポレータークリーナー|においの原因に直接アプローチ
エアコンを作動させると発生する臭いは、エアコンから発する物と、外気から入ってくるものがあります。
外気からの異臭やホコリなどはエアコンフィルターで除去できますが、エバポレーターからの臭いは除去することが出来ません。
そこで、専用のクリーナーをつかって消臭し、エアコン内部を超微粒子ミストなどで除菌コーティングすることによって、臭いの原因に直察アプローチすることが出来ます。
中にはグローブボックスを取り外さなければいけない場合があるので、オイル交換の際に依頼するとよいでしょう。
また、グローブボックスの取り外しが不要なムースやスプレータイプもあります。
価格は2,500円~4,000円ほどで、カー用品店などで手に入れることが出来ます。
ブランド | ホンダ |
値段 | 1,941円 |
容量 | 269ml |
タイプ | ー |
②エアコン消臭スプレー|手軽さ、即効性がピカイチ
エアコンの吹き出し口付近が匂う場合は、エアコン消臭スプレーが便利です。
制汗剤にも使用される「銀イオン」を使ったタイプや、「安定化二酸化塩素」で悪臭分子を積極的に酸化分解し除去するものなど、色々な種類があります。
気になった時に手軽にスプレーできるので、急に人を乗せるときなど、その即効性が頼りになります。
しかし頑固なカビや雑菌を落とすことは難しく、完全に臭いが取れない場合もあり、効果が実感できないことも。
価格も1,000円以内で、カー用品店などで購入できます。
ブランド | カーメイト |
値段 | 942円 |
容量 | 131g |
タイプ | スプレー |
③スチーム型|車内全体の消臭にもなる
スチーム型は、車内に「安定二酸化塩素」という成分を蔓延させて、消臭と除菌を行います。
1回30分ほど、エアコンをかけたままにするだけで、スチームに含まれる消臭成分が、シートや内装、エアコンフィルター、エアコンの内部まで消臭し、車内全体の菌や雑菌も強力に除去します。
ただし、エアコンの奥にこびり付いた頑固なカビには効きにくいので、臭いがひどくなる前に定期的に使うほうがいいでしょう。
価格は500円〜1,000円程度、カー用品店などで購入できます。
ブランド | カーメイト |
値段 | 1,210円 |
容量 | 25ml |
タイプ | スチーム |
④オゾン発生器|こびりついた複合臭に効く
オゾン発生器は、オゾンの持つ強い酸化力で雑菌やウイルス、臭いを効果的に分解して消毒し脱臭します。
車内に充満したオゾンは、車内に浮かんでいるウイルスを抑制し、タバコやペットなどのこびり付いた臭いにもよく効き、最終的には水や酸素に変化させるので身体にも優しい方法です。
電気で作動しますが、電池式やUSBからの充電タイプもあり、車内のカップホルダーなどに収まるコンパクトタイプが便利でしょう。
2,000円~数万円と性能や仕様によって価格に幅がありますが、フィルターの交換もいらず、使い捨てタイプでもないのでかえって経済的と言えるでしょう。
ブランド | ケンウッド |
値段 | 1,980円 |
重量 | 40g |
タイプ | ドリンクホルダー設置タイプ |
⑤イオン発生型空気清浄機|継続使用がオススメ
プラズマクラスターやナノイーなど、家庭用の空気清浄機に使われているイオン発生型空気清浄機にも、カップホルダーに入るようなコンパクトな車用があります。
ナノイーを使ったタイプでは、OHラジカルを含んだ成分が菌の水素を抜き取り、水に変化させることで、脱臭だけではなく、浮遊しているカビ菌やウイルスを除去することが出来ます。
その他、高濃度のマイナスイオン発生装置や活性炭などを使ったタイプもあり、新車やエアコン内部のカビを取り除いたあとに継続使用すれば、エアコンのカビや雑菌の予防に効果的です。
価格も2,000円~1万円台と幅が広く、用途や仕様によって選ぶとよいでしょう。
ブランド | AIRTOK |
値段 | 9,399円 |
重量 | 2.2㎏ |
タイプ | 空気清浄機 |
⑥防カビスプレー|車でも家でも使える
スプレーするだけで簡単に汚れやカビ、雑菌の増殖を抑えることが出来ます。
エアコン本体に吹きかけても大丈夫なタイプや、環境に配慮したタイプもあるので、カーライフに合わせた選択をすると良いでしょう。
出来てしまったカビを落とすことは出来ないので、まずはカビ取りや洗浄をした後に使うのが効果的です。
家庭でも使えるタイプもあり、持っているとどちらにも使えて何かと便利でしょう。
価格は500円~3,000円程度で、カー商品店だけではなくホームセンターでも手に入れることが出来ます。
ブランド | カビトルデス |
値段 | 889 |
容量 | 100ml |
タイプ | スプレー |
まとめ
いかがでしたでしょうか。
車内の臭いは、タバコや体臭など色々な要因があり、エアコンだけが原因とは限りません。
上記のようなグッズを使い、定期的なメンテナンスを行うことで、臭いの抑制を行うことが出来ます。
しかし、どんなにセルフクリーニングを行っても、エアコンの臭いが無くならない場合は、やはりプロにお任せする方が安心です。
そういった「おおごと」にならないためにも、カビや雑菌が生じる前に対策をするなど、日ごろからメンテナンスを行いましょう。